第28回 取引単位営業利益法(TNMM):記事まとめ
今回は「取引単位営業利益法(TNMM)」シリーズの記事をまとめてお伝えします。
Table of Contents
1. 取引単位営業利益法(TNMM)とは
このシリーズでは、まず、「取引単位営業利益法(TNMM)とは」というところを確認しました。
TNMMとは、要するに「検証対象の営業利益率がちょうどよくなるような取引価格を算定する方法」です。
つまり、取引単位ごとに、検証の対象とする会社等と類似の事業活動を行う会社等の営業利益率とを比較することにより、独立企業間価格を算定する方法をいいます。
2. 取引単位営業利益法(TNMM)における利益指標の選択
TNMMについては、その適用に係る利益指標として、①売上高営業利益率・②総費用営業利益率・③営業費用売上総利益率(ベリー・レシオ)の3つがあり、どの利益指標を用いることが適切か検討する必要があります。
それぞれの利益指標の内容は、以下の記事に書いてあります。
第3回 TNMMの利益指標:①売上高営業利益率とは
第5回 TNMMの利益指標:②総費用営業利益率とは
第7回 TNMMの利益指標:③営業費用売上総利益率(ベリー・レシオ)とは
また、利益指標のうち、①売上高営業利益率と③営業費用売上総利益率(ベリー・レシオ)については、ケースの形でも確認しました。
第11回 ケース:TNMMで売上高営業利益率を使う場合
第12回 ケース:TNMMでベリー・レシオを使う場合
ついでに、移転価格税制における営業利益の意味合いも確認しています(普通の営業利益なんですけど)。
3. 取引単位営業利益法(TNMM)における比較対象取引選定の考え方
続いて、TNMMにおける比較対象取引候補のスクリーニング(選別作業)のお話をしました。
まずは、その概要からです。
第13回 TNMMにおける比較対象取引候補の抽出とスクリーニング
具体的には、比較対象取引候補を抽出したうえで、定量的基準や定性的基準に基づき、それについてスクリーニング(選別作業)を行うことになりますが、この定量的基準や定性的基準については、ケースの形で確認しました。
第14回 ケース:定量的基準による比較対象取引の選定(TNMM)
第15回 ケース:定性的基準による比較対象取引の選定(TNMM)
また、比較対象取引の選定について、ローカルファイルにどう書くかという点も、以下で確認済みです。
4. 取引単位営業利益法(TNMM)における差異調整
そして、TNMMにおける差異調整として、運転資本に係る差異調整について見ました。
ついでに、差異調整に係る2019年度税制改正の内容(統計的手法の適用)もちょっとだけ確認しました。
第20回 差異調整における統計的手法の適用(2019年度税制改正)
で、ずっと書き忘れていた会計処理方法の差異の取扱いについても、以下で書いています。
5. 独立企業間価格の幅(TNMMの例)
さらに、TNMMを例に、複数の比較対象取引が独立企業間価格の幅を形成する場合の取扱いを確認しました。
「国外関連取引の対価の額がその幅の中にあるのであれば、移転価格課税は行われない」という単純な話です。
第22回 複数の比較対象取引が形成する独立企業間価格の幅(レンジ)の取扱い
6. 複数年度検証(TNMMの例)
同じく、TNMMを例に、複数年度検証の要否について解説し、さらにそれが不要なケースも確認しました。
第24回 移転価格税制における複数年度検証(と単年度検証)
第25回 ケース:複数年度検証が不要な場合(TNMM)
7. ローカルファイルの記載例(TNMMの例)
そして最後に、TNMMの例で、選定した独立企業間価格の算定方法及び選定理由をローカルファイルにどう書くか、という点を確認しました。
第27回 ローカルファイルの記載例:選定した独立企業間価格の算定方法及び選定理由
8. 移転価格税制の英語
もう疲れてきましたが、このシリーズでも、結構英語のお話をしました。
タイトルだけ挙げておくので、もしご関心のある用語があれば、ぜひご確認ください。
第2回 取引単位営業利益法を英語でいうと
第4回 TNMMで使う「売上高営業利益率」を英語でいうと
第6回 TNMMで使う「総費用営業利益率」を英語でいうと
第8回 利益水準指標を英語でいうと
第10回 移転価格税制における「営業利益」を英語でいうと
第19回 運転資本に係る差異調整を英語でいうと
第21回 四分位レンジ&フルレンジを英語でいうと
第23回 独立企業間価格の幅を英語でいうと
第26回 複数年度検証を英語でいうと
9. 最後に
長かった「取引単位営業利益法(TNMM)」シリーズもこれでおしまいです。
明日からは移転価格税制を少し離れて、別のテーマにしたいと思います。
では、では。