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移転価格税制の基礎

第29回 ローカルファイルの記載事項と記載例:選定した独立企業間価格の算定方法及び選定理由(前編)

ここまで、取引単位営業利益法について見てきました。

今回は移転価格文書についてです。具体的には、選定した独立企業間価格の算定方法及び選定理由をローカルファイルにどう書くか、を見ていきます。

使えるところは、取引単位営業利益法を例に使いたいと思います。

 

ローカルファイルに含まれる書類

まず、ローカルファイルには、「法人が選定した独立企業間価格の算定方法、その選定に係る重要な前提条件及びその選定の理由を記載した書類等」が含まれます。

ローカルファイルの記載事項(必要な情報)

この点について、例示集(国税庁 「独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(ローカルファイル)作成に当たっての例示集」)では、必要な情報の例として、以下が挙げられています。

法人が選定した独立企業間価格の算定方法及びその選定過程
…選定した理由、勘案すべき事項の検討内容を含む

・最も適切な独立企業間価格の算定方法が、再販売価格基準法、原価基準法及び取引単位営業利益法である場合の利益率を検証する当事者の名称(検証対象とする法人名)及びその当事者を検証対象とする理由並びに利益水準指標及びその利益水準指標を採用した理由
…再販売価格基準法、原価基準法または取引単位営業利益法を選定する際は、国外関連取引の当事者のいずれの者を検証対象にするかを決定する必要があるためです

法人が選定した独立企業間価格の算定方法を国外関連取引に適用した算定結果
…算定結果には以下の情報を含みます
①検証する損益が切出損益である場合には、切り出した売上、売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費、営業利益、利益率並びに各項目の算出過程及び使用した財務データ
②切出損益の作成に当たり、個別に調整した項目がある場合にはその項目、調整方法及びその調整の理由
③取引に密接な関連があるとされる国外関連者の複数の取引に係る損益を一の取引に係る損益として検証する必要がある場合、合算損益の情報

・検証の結果、独立企業間価格で取引されていなかった場合の価格調整方法
…具体的な調整計算方法、価格調整額、調整を要する取引の相手方である国外関連者の名称等

・最も適切な独立企業間価格の算定方法が「準ずる方法」である場合、その手法が①取引内容に適合しているとする理由、②元となる 方法の考え方から乖離しない合理的な方法であるとする理由

・比較対象取引の複数年度のデータを用いて独立企業間価格を算定する場合の理由及び適用する比較対象取引の年度

・法人が選定した独立企業間価格の算定方法を適用するに当たっての重要な前提条件に関する事項を説明するもの
…重要な前提条件とは、最も適切な独立企業間価格の算定方法を適用する際の前提となる事業上または経済上の諸条件のことであり、重要な前提条件に定める状況の変化が生じた場合には、当該状況の下で改めて独立企業間価格の算定方法を検討する必要があります

と書くと、結構抽象的でわかりづらいのですが、例示集では、取引単位営業利益法(に準ずる方法)を例として、もうちょっと具体的に書いたものがあり、これでイメージをつかんで頂けると思います。

もうちょっとわかりやすい例

 

ローカルファイルの記載例(作成サンプル)は次回です

これがある意味集大成なので、次回はもう1つ、作成サンプル(国税庁 「同時文書化対応ガイド ~ローカルファイルの作成サンプル~」)の例を確認したいと思います。

今日はここまでです。

では、では。

■移転価格税制に関するトピックの一覧はこちら

 

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