1. HOME
  2. ブログ
  3. 国際税務
  4. 移転価格税制の基礎
  5. 第14回 TNMMにおける比較対象取引候補のスクリーニング(選別作業)

BLOG

佐和周のブログ

移転価格税制の基礎

第14回 TNMMにおける比較対象取引候補のスクリーニング(選別作業)

前回は、比較対象取引の選定プロセスのおさらいをしました。

今回は、TNMMにおける比較対象取引候補のスクリーニング(選別作業)について見ていきたいと思います。

比較対象取引の選定プロセスの全体像

まず、TNMMの場合、企業情報データベース(財務データベース)などの公開情報から、外部比較対象取引の情報は比較的得やすいというお話をしました。

この点、ポイント集(国税庁 「移転価格税制の適用におけるポイント」)においても、移転価格調査では、内部比較対象取引が存在する場面が限定的なので、外部比較対象取引の選定として、入手可能な公開情報である企業情報データベースを用いるという記述があります。

で、比較対象取引の候補となる取引の情報が得られたら、あとは、比較を行うための諸要素(棚卸資産の種類、取引当事者の果たす機能、契約条件、市場の状況など)に基づいて類似性の程度を検討します。

結果、類似性の高い取引が比較対象取引として選定されます。この全体像は前回お伝えしたとおりなので、もういいと思います。

比較対象取引候補の抽出のイメージ

じゃあ、実際にどうやってこのスクリーニング(選別作業)を行うかということですが、その前段階として、比較対象取引の候補をどのように抽出するかというお話があります。そもそもスクリーニング対象がないと、スクリーニングできないので。

この点、ポイント集では、業種分類コード等に基づき、「同種・類似の資産」を扱っている法人や「類似の機能」を有する法人を比較対象取引の候補となる法人として抽出することとしています(実際にもそんな感じです)。

また、ここでいう「同種・類似の資産」というのは、例えば、電気機器や医療機器などの分類のイメージです。また、「類似の機能」というのは、例えば、製造販売・卸売・小売などの分類のイメージです。

スクリーニングのイメージ

そういう比較対象取引の候補が揃ったら、次にスクリーニングのための定量的基準や定性的基準を定めます。

定量的基準というのは、端的には、売上高の規模や売上高研究開発費比率などの割合に関する基準です。

一方、定性的基準というのは、取扱商品や機能に関する基準です。

そして、このような定量的基準や定性的基準により分析を行い、一定の基準に満たないものは「比較可能性が不十分」として、比較対象取引の候補から除外していくという手順になります。

例えば、売上高を基準として、規模が異なる(比較対象取引の)候補を除外したり、事業を遂行するための機能が異なる候補を除外したり、という作業です。

結果、残った法人を比較対象取引として選定するということですね。

これはTNMMに限ったことではありませんが、TNMMの視点で見るとわかりやすいと思うので、参考事例集に記載されている以下の図をご覧ください。

(出典:国税庁 移転価格事務運営要領 「移転価格税制の適用に当たっての参考事例集」)

さらに、ポイント集には以下のような内容が記述されており、これが今回のまとめです。

実際の比較対象取引の選定過程においては、国外関連取引との比較可能性を確保する上で、「どの業種分類コードを含めるか」や「どのような定量的基準や定性的基準を用いるか」などを検討する必要がある

これを前提に、この後、具体的な比較対象取引の選定を見ていきたいと思いますが、次回は、定量的基準に関するケース、その次は定性的基準に関するケース、ということで。

今日はこのあたりで。

では、では。

■移転価格税制に関するトピックの一覧はこちら

 

関連記事

佐和周のブログ|記事一覧

こどもCFOブログ|LINK

スポンサーリンク