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佐和周のブログ

移転価格税制の基礎

第24回 無形資産の使用許諾取引:記事まとめ

ここまで、「無形資産の使用許諾取引」シリーズを23回にわたって見てきました。

今回は、最後にその23回分の記事をまとめてお伝えします。

 

移転価格税制における無形資産とは

このシリーズでは、まず、「無形資産とは」というところを確認しました。

第1回 移転価格税制における「無形資産」をわかりやすくいうと

移転価格税制にいう「無形資産」とは、ざっくりいうと、(1)無形で、(2)価値があるものです。

もうちょっというと、(1) 特許権、実用新案権その他の資産で、有形資産や金融資産(現金・預貯金・有価証券等)以外の資産であり、(2) 独立の事業者の間で通常の取引の条件に従って譲渡や貸付けなどが行われるとした場合に、その対価の額が支払われるべきものということになります。

所得の源泉となる「重要な価値を有する無形資産」とは

無形資産は色々な種類があるので、「無形資産をすべて特定しろ」というところまでは求められていません。移転価格税制上、所得の源泉となる無形資産は、「重要な価値があると認められるもの」に限定されています。

そのため、「無形資産があるかどうか」の次の段階として、「その無形資産が重要な価値を有するかどうか」の判断が必要になります。

このあたりは以下の記事にまとめてあります。

第3回 所得の源泉となる「重要な価値を有する無形資産」とは

そして、この判断に当たっては、法人または国外関連者の国外関連取引に係る利益率等の水準について、「基本的活動のみを行う法人」のそれとの比較を行うという発想があります。

ここでいう「基本的活動のみを行う法人」とは、以下の記事にまとめたとおり、国外関連取引の事業と同種の事業を営み、市場、事業規模等が類似する法人のうち、独自の機能を果たさない法人をいいます。要は、「重要な価値を有する無形資産を持ってなさそうな法人」ですね。

第4回 移転価格税制における「基本的活動のみを行う法人」とは

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移転価格税制における無形資産の例

次に、移転価格税制において、具体的にどのような無形資産が「重要な価値を有する無形資産」なのかという視点で、いくつかケースを確認しました。

第5回 ケースで見る 無形資産の例:研究開発及びマーケティング活動による形成
第6回 ケースで見る 無形資産の例:独自の販売機能による形成(がない場合)
第7回 ケースで見る 無形資産の例:独自の販売機能による形成
第8回 ケースで見る 無形資産の例:販売網及び品質管理ノウハウ
第9回 ケースで見る 無形資産の例:品質管理業務による形成(がない場合)
第10回 ケースで見る 無形資産の例:従業員が蓄積したノウハウ
第11回 ケースで見る 無形資産の例:出向者が使用する法人の無形資産

中にはちょっと無理やりなものも入っていますが、こういうケースを見ると、「ああ、そんな感じなんだな」という大枠がつかめるんじゃないでしょうか。

無形資産の帰属

「重要な価値がある無形資産とはどういうものか」を見た後は、「その無形資産は誰が持っているのか」という論点を確認しました。「無形資産の帰属」の問題ですね。

端的には、移転価格税制においては、「無形資産の形成・維持・発展への貢献を行った者が誰か」という視点が重要で、それは法的所有者と必ずしも一致しないという建付けになっています。

第12回 ケースで見る 無形資産の帰属:形成・維持・発展への貢献がある場合

逆にいうと、以下のケースで見たように、所得の源泉となる見通しが高い無形資産の形成・維持・発展において、単にその費用を負担しているというのみでは、貢献の程度は低いものとされます。

第13回 ケースで見る 無形資産の帰属:形成費用のみ負担している場合

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ローカルファイルの記載事項と記載例

これも恒例ですが、ローカルファイルの記載事項と記載例もチェックしました。

まずは、ローカルファイルでは、国外関連取引において使用した無形資産の種類、内容、契約条件等を説明する必要があります。

第14回 ローカルファイルの記載事項と記載例:使用した無形資産(前編)

あとは、「無形資産に係る整理表」も確認しましたね。以下の記事ですが、これなんかは「重要な価値を有する無形資産」やその帰属について、比較的イメージがわきやすいと思います。

第15回 ローカルファイルの記載事項と記載例:使用した無形資産(後編)

移転価格税制におけるロイヤルティ料率の算定アプローチ

最後に、移転価格税制におけるロイヤルティ料率の算定アプローチについて考えました。言い換えると、独立企業間価格(料率)の決め方ということですね。

アプローチとしては、(1)ロイヤルティの水準を直接見る方法と(2)ロイヤルティ控除後の海外子会社の営業利益を見る方法の2つが中心ということで(原価基準法と同等の方法は割愛)、具体的には、CUP法的に見るケースとTNMM的に見るケースを確認しました。

第17回 移転価格税制におけるロイヤルティ料率の算定アプローチ
第18回 無形資産の使用許諾取引に関する税務リスクの概観
第19回 ケースで見る 無形資産の使用許諾取引:独立価格比準法(CUP)が使えない場合
第20回 ケースで見る 無形資産の使用許諾取引:取引単位営業利益法(TNMM)を使う場合

それと、「同等の方法」という表現について、国外関連取引が棚卸資産の売買「以外」の取引である場合に、独立企業間価格の算定方法に付けて使う表現ということで触れています。

第16回 移転価格税制における「同等の方法」とは

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おまけ

あとは、ちょっとおまけですが、無形資産の使用許諾に関する契約がない場合の取扱いや、複数の国外関連取引(棚卸資産取引+無形資産の使用許諾取引)がある場合の取引単位の問題も確認しました。

第22回 無形資産の使用許諾に関する契約がない場合の取扱い
第23回 ケースで見る 無形資産の使用許諾取引(+棚卸資産取引):取引単位の問題

内容としては、だいたいこんな感じですね。

移転価格税制の英語

なお、このシリーズでも、ちょっとだけ英語のお話をしたので、以下で挙げておきます。

第2回 移転価格税制における「無形資産」を英語でいうと
第21回 独立企業間料率(ロイヤルティ料率)を英語でいうと

最後に

「無形資産の使用許諾取引」シリーズはこれで終わりです。

移転価格税制は少し休んで、別のお話をした後、今度は「利益分割法」シリーズに入りたいと思います。

それと、無形資産取引という意味では、次は無形資産の譲渡取引も見てみたいですね。ちょっと先になりそうですけど。

今日はここまでです。

では、では。

■移転価格税制に関するトピックの一覧はこちら

 

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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