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佐和周のブログ

移転価格税制の基礎

第5回 ローカルファイルの記載事項と記載例:国外関連取引に係る資産の明細等

ここまでは「国外関連取引とは?」というところを見てきました。

移転価格税制のことを考えるときに、常に考えておかなければならないのは、「移転価格文書(ローカルファイル)にどう書くか」ということです。なので、今日は国外関連取引に関して、ローカルファイルに何を書くべきかのお話をしたいと思います。

あ、ローカルファイルを含む移転価格文書については、いつかまとめてお伝えしますね。

ローカルファイルに含まれる書類

ローカルファイルには、「国外関連取引に係る資産の明細及び役務の内容を記載した書類」が含まれます。

つまり、取引の当事者や取引の流れなどを明らかにしたうえで、国外関連取引の対象となる資産の明細や役務の内容を説明する必要があるということです。

ローカルファイルの記載事項(必要な情報)

この点、例示集(国税庁 「独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(ローカルファイル)作成に当たっての例示集」)では、必要な情報の例として、以下が挙げられています。

○国外関連取引が棚卸資産の売買の場合
・棚卸資産の種類(性状、構造、機能等)
・主要売上先(及びエンドユーザー)
・主要仕入先
・取引条件(単価、通貨、貿易条件等)
・取引の開始時期等
○国外関連取引が無形資産の使用許諾の場合
・無形資産の内容
・使用許諾の開始時期及び期間等
○国外関連取引が役務提供の場合
・役務の内容(性質等)
・主要役務提供先
・主要外注先(提供する役務を外注している場合)
・取引条件(単価、通貨等)
・役務提供の開始時期及び期間等

これはそんなに難しい話ではないと思います。

必要な書類

じゃあ、具体的にどういう書類を準備しておけばいいかというと、もともとある書類(既存の書類)という意味では、「有価証券報告書・営業報告書(事業報告)・会社案内」といった書類や、「商品のパンフレット・カタログ・プライスリスト」などがあります。また、「法人と国外関連者の間の契約書・覚書・取決め」なども例示集で挙げられています。

なお、既存の書類では情報が不足する場合、必要な情報を記載した書類を適宜作成しなければなりません。

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ローカルファイルの記載例(作成サンプル)

で、さらに具体的に見ていくと、作成サンプル(国税庁 「同時文書化対応ガイド ~ローカルファイルの作成サンプル~」)では、以下のような記載があるので引用します(A社というのが国外関連者です)。

国外関連取引の概要
当社がA社と行う国外関連取引は、次のとおりです。
A社に対し製品Xの製造で使用する金型及び機械設備を輸出する取引
A社に対し製品Xの原材料を輸出する取引
A社に対し製品Xを製造するための製造技術や商標等の無形資産を使用させる取引
A社に対して行う機械設備の据付け、機械設備の操作の技術指導、その他従業員へのトレーニング等の役務提供取引

添付資料7 各国外関連取引の取引図

棚卸資産等の有形資産取引だけではなく、無形資産取引や役務提供取引も含まれていますね。

ちなみに、上記の「添付資料7 各国外関連取引の取引図」というのは、こんな感じです。

こういう取引図みたいなものがなければ、まずはそれを作るところから始めないとダメってことですね。

重要なのは全体像の把握

「国外関連取引とは?」という定義はシンプルなのですが、いざ実際に移転価格文書(ローカルファイル)に書こうとすると、結構いろんな情報が必要になります。例示集や作成サンプルで具体例を見て頂くと、そういうところがイメージして頂けるんじゃないでしょうか?

個人的に一番大事だと思うのは、取引の流れの全体像を把握することです。上記の取引図をご覧頂いてもわかりますが、国外関連取引は、あくまでも全体の取引の流れの一部だということですね。

今日はこのあたりで。

では、では。

■移転価格税制に関するトピックの一覧はこちら

 

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