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佐和周のブログ

移転価格税制の基礎

第1回 比較対象取引の選定

今回から、また移転価格税制の新シリーズです。

「比較対象取引の選定」シリーズ

移転価格税制については、これまでに「国外関連者と国外関連取引」シリーズ、「独立企業間価格の算定方法の選定」シリーズ、「国外関連取引の内容等の検討」シリーズと見てきました。

ここから少しの間、「比較対象取引の選定」シリーズです。といっても比較的すぐに終わりますが。

ちなみに、移転価格税制コモディティ化計画の目次はこちらです。

今回は、第1回ということで、比較対象取引の選定についてお伝えしますが、その前に流れを復習しておきましょう。

 

比較可能性分析

移転価格税制の基本的な考え方は、ちょっと難しく言うと、「比較可能な」独立の事業者の間であれば得られたであろう取引の条件を参照して、国外関連取引に係る利益を調整する、ということです(「独立企業原則」)。

したがって、独立企業間価格の算定方法について、最も適切な方法を選定しようとする局面でも、「比較可能性分析」というものが重要になります。

この比較可能性分析は、文字どおり、国外関連取引と比較可能な非関連者間取引に係る条件についての比較や検討です。

比較対象取引のイメージ(内部と外部)

独立価格比準法を考えるとわかりやすいのですが、移転価格税制というのは、基本的に「国外関連取引との類似性の程度が十分な非関連者間取引」を基礎として独立企業間価格を算定するものです。そういう取引を「比較対象取引」と呼ぶんでしたよね。

ちなみに、ここでいう「非関連者間取引」という語感からは、第三者間の取引(非関連者が他の非関連者との間で行う取引)がイメージされますが、実際には「自社が非関連者との間で行う取引」や「国外関連者が非関連者との間で行う取引」も「非関連者間取引」の範囲に含まれます。

この第三者間の取引が「外部比較対象取引」で、自社・国外関連者と非関連者との間の取引が「内部比較対象取引」と呼ばれます。

比較可能性分析のポイント

これも以前にお伝えしましたが、この比較可能性分析のポイントは、大きく以下の2つです。

(1) 独立の事業者の間の取引条件に影響を与えるであろう要素に基づき、国外関連取引自体の内容等を精査すること
(2) (1)の結果を踏まえて、国外関連取引と非関連者間取引との類似性の程度(比較可能性)に係る分析を行うこと

(1)については、前処理としての位置づけで、「国外関連取引の内容等の検討」シリーズで見てきました。比較を行うための「諸要素」が5つありましたよね(うち、機能及びリスクが超重要)。比較対象取引の選定のために、その前段階で国外関連取引の内容自体を十分に理解しておきましょう、という位置づけです。

そのうえで、(2)の比較可能性分析においては、比較対象取引の選定作業を行います。

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どこから比較対象取引を選定するか(内部と外部)

比較対象取引の選定にあたっては、情報源として内部と外部の両方があります。

先ほど、「自社が非関連者との間で行う取引」や「国外関連者が非関連者との間で行う取引」も「非関連者間取引」に含まれると書きましたが、これが内部の情報源という意味合いです。

外部の情報源としては、例えば、有価証券報告書、企業の財務情報等が収録されたデータベース、業界団体情報などがありますね。そういう公開情報のイメージです。

ちなみに、それぞれの情報源から得られた比較対象取引は、「内部比較対象取引」と「外部比較対象取引」と呼びます。上でお伝えしたとおりです。

どういう順序で比較対象取引を探すか(内部→外部)

整理すると、比較対象取引の候補には、内部比較対象取引または外部比較対象取引があります。

そういう候補があるか否かについて、企業の内部情報のほか、外部の公開情報を基に検討するということです。

もうちょっというと、まずは「内部比較対象取引」を探します。こっちのほうが見つけやすいので。

で、「内部比較対象取引」がない場合は、「外部比較対象取引」に係る情報源を探す、という流れです

こういう情報の入手可能性によって、適用できる独立企業間価格の算定方法が異なってきますよね。

例えば、国外関連取引に係る資産等と同種の資産等の非関連者間取引の情報があるのであれば、独立価格比準法が使える、等々のイメージです。

今日はここまでです。次回はちょっと英語のお話をします。

では、では。

■移転価格税制に関するトピックの一覧はこちら

 

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