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移転価格税制の基礎

第8回 利益分割法(PS法)における分割対象利益等とは

今回は利益分割法における「分割対象利益等」のお話です。

 

分割対象利益等とは

利益分割法は、単純にいうと、分割対象利益等について、法人及び国外関連者に配分することにより独立企業間価格を算定する方法です。

つまり、分割対象利益等というのは、配分の対象ということなので、国外関連取引に係る棚卸資産の販売等により法人及び国外関連者に生じた所得の全体を指します。

もう少しいうと、この分割対象利益等は、原則として、当該法人及び国外関連者に係る「営業利益」の合計額を用います。

なぜ営業利益なのか

なぜ営業利益を用いるか、については、売上総利益や当期純利益よりも、事業活動の直接の結果を示す営業利益の合計額を配分の対象とすることがより合理的であるためとされています。

利益分割法自体が、「独立の事業者の間であれば、当該事業者の間で行われた事業に係る利益がどのように配分されるか」という点を考慮して独立企業間価格を算定する方法なので、それに見合う段階損益として、営業利益を使うということですね。

なお、通達では、分割対象利益等について、「当該法人に係る営業利益または営業損失に当該国外関連者に係る営業利益または営業損失を加算した金額」と書いてあるので、分割対象利益等の概念には、営業損失も含まれます。

なので、とにかく、国外関連取引に参加した全ての関連者に生じた(その取引に係る)営業損益の総和を求めればいいということです。

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分割対象利益等算定上の注意点

利益分割法の適用に係る営業利益の範囲は、取引単位営業利益法の適用に係る営業利益の範囲と同様です。

取引単位営業利益法のところでお伝えしましたが、国外関連取引に直接または間接に関係があるものを用いるという趣旨から、仮に受取利息や支払利息、法人税のような営業外の損益や反復的性格を有しない特別損益に属するような項目が営業利益に含まれていれば、これらは一般的には除外する必要があります。当然のお話ですけど。

あと、利益分割法の適用の場合、国外関連取引の両当事者の会計処理や通貨に関する基準を共通化する必要があります。共通の基準に基づいて集計した営業損益を合算するというイメージですね。

そして、採用した基準は利益分割法の適用対象年度において継続使用する必要があるとされています。

今日は、ここまでです。

では、では。

■移転価格税制に関するトピックの一覧はこちら

 

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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