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セグメント情報の開示項目④:差異調整に関する事項

引き続きセグメント情報のことを書きます。

今回は、セグメント情報の開示項目のうち、差異調整に関する事項について。

 

1. セグメント情報の開示項目

セグメント情報として、開示が求められるのは以下の事項です。

(1) 報告セグメントの概要
(2) 報告セグメントの利益(または損失)、資産、負債及びその他の重要な項目の額
並びにその測定方法に関する事項
(3) 開示項目の合計額とこれに対応する財務諸表計上額との間の差異調整に関する事項

(2)がメインの部分ですが、今日は最後の(3)について。

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2. 差異調整に関する事項

上記(3)の差異調整に関する事項として、具体的に開示が求められるのは以下の事項です。

①報告セグメントの売上高の合計額と損益計算書の売上高計上額
②報告セグメントの利益(または損失)の合計額と損益計算書の利益(または損失)計上額
③報告セグメントの資産の合計額と貸借対照表の資産計上額
④報告セグメントの負債の合計額と貸借対照表の負債計上額
⑤その他の開示される各項目について、報告セグメントの合計額とその対応する科目の財務諸表計上額

上記②の損益計算書の利益(または損失)は、以下のうち、いずれか適当と判断される科目されています。

  • 営業利益(または損失)
  • 経常利益(または損失)
  • 税金等調整前当期純利益(または損失)
  • 当期純利益(または損失)
  • 親会社株主に帰属する当期純利益

逆にいうと、必ずしも損益計算書上の当期純利益との差異は開示しなくてよいということです。

日本では、経営者の経営上の意思決定において、営業利益や経常利益を重視している企業が多いとか、昔のセグメント情報が各セグメントの営業利益や経常利益に関する情報を開示していたとか、そういう背景があるようです。

なので、損益計算書上の利益(または損失)のうち、企業の事業内容等から適当と判断される科目を選択すればよい、ということで。

なお、重要な調整事項がある場合には、その事項を個別に記載する必要があります。また、報告セグメントの利益(または損失)を算定するにあたって採用した会計処理の方法が、財務諸表の作成上採用した方法と異なっている場合、その重要な差異は、すべて個別に記載する必要があります。

今日はここまでです。

では、では。

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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