海外子会社往査で見ておきたいこと ②棚卸差異
昨日に引き続き、海外子会社に往査したときに、不正リスク対応の観点から見ておきたいポイントについて書きます(往査主体については特定しません)。
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海外子会社不正の本
少し前(2026年5月)に海外子会社不正の本を書きました(↓)
この本は、タイトルのとおり、海外子会社における不正(や誤謬)などの事例をコンパクトに解説するものですが、そのなかに「ケース10:実地棚卸で多額の差異が発生する」というケースがあります。
ケース10:実地棚卸で多額の差異が発生する
事例の概要は、以下のとおりです。
本事例は、ドイツ子会社S社において、製品…について多額の棚卸差異(帳簿数量と実地棚卸数量の差異)が発生し、その原因を調査したところ、出荷管理を委託していた販売先x社による引渡前在庫の無断売却が判明したものである。
事例のポイント
この事例における棚卸差異の発生原因は、取引先による(自社の)在庫の無断売却なので、ある意味では特殊な事例です。
ただ、海外子会社における棚卸差異の問題自体は非常に一般的なものです。
その要因として、実地棚卸のルールが緩い場合のほか、仮に厳格なルールが存在したとしても、海外子会社がそれを遵守していない場合もあります。
海外子会社往査で見ておきたいこと
上記に加えて、海外子会社に行くときには、棚卸差異の分析結果はよく見ておいたほうがいいです。
ちゃんと分析しておかないと、いつまでたっても棚卸差異の問題(棚卸の精度)が改善していかないので。
まあ、現地で色々と話を聞けば、だいたいちゃんとやってそうかはわかるんですけど。
余談
ちなみに、日本側では「現地の監査法人が実地棚卸に立ち会っているから大丈夫」という見方をすることもあります。
が、これもあんまり当てにしないほうがいいです。
細かなところは本をご覧いただければと思いますが、監査法人は別に不正検出に特化しているわけではないうえ、担当者のセンスによるところも大きいので。
今日はここまでです。
では、では。