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海外子会社の月次決算の重要性(海外子会社管理の会計・税務・財務ケース50)

最近あまり本業に関することを書いていなかったので、少しだけ。

 

これだけは押さえておこう 海外子会社管理の会計・税務・財務ケース50

6月くらいに以下の本が出ました。

 

この本、私が実務でよく遭遇する問題について、簡単にまとめて書いたものです。今日もそういう問題について書きたいと思います。

ケース8. 月次決算のモニタリングを行う

本は50のケースで構成されているのですが(こちらに全ケースを挙げています)、そのうちの「ケース8」は、海外子会社の「月次決算のモニタリングを行う」というものです。

まず、要点は以下のとおりです。

  • 海外子会社の月次決算に対しては、予算統制という位置付けで、日本側からモニタリングを行うことが重要になります。
  • モニターすべき数値としては、売上や営業利益といったフロー数値のほか、売掛金や在庫といったストック数値、また両者を組み合わせた各種回転期間などがあります。
  • また、海外子会社の業績悪化や不正リスクの兆候を早期に把握することも、月次決算のモニタリングの目的の1つです。
  • 現地の業務プロセスの詳細を、逐一日本側からモニターするのは難しいので、海外子会社の月次決算を継続的にモニターすることで、小さな変化に気付くことが何よりも重要です。

    海外子会社の月次決算のモニタリングは特に大切なので、次の「ケース9」も「海外子会社の月次決算プロセスを理解する」というケースにして、長々書いています。

    今日はその内容のうち、思いついたことを書きます。

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    重点管理項目に関する現地との合意

    前提として、日本側からは、海外子会社の重要な業務プロセス(販売・購買・在庫管理)に関連するフロー項目(売上・売上原価)について、月次決算資料で概括的にモニターするのが効率的な管理になります。

    これが月次決算が重要な理由の1つです。

    そして、日本側からのモニタリングにあたっては、数値の前月比あるいは前年同月比の増減要因等について、その都度、現地に質問を投げかけることがコツだと思います。これには牽制効果という意味もありますが、同時に「日本側は報告した月次決算を見ていないのではないか」という現地側の疑念(不満)を払拭することにもつながるためです。

    また、管理の効率性を考えると、重点管理項目をあらかじめ合意しておいて、そのような項目の増減要因については、海外子会社側に事前に(月次決算資料の作成段階で)説明を付してもらうという対応が考えられます。

    例えば、個別の費用項目についていえば、人件費は金額的に重要であることが多く、架空人件費などの不正リスクの問題もあるので、月次決算資料上で、人件費総額や1人当たり人件費の増減要因を説明してもらうようなケースがこれに該当します。

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    回転期間のモニタリング

    海外子会社の月次決算内容のモニタリングについては、上記のようなフロー項目とセットで、売掛金・在庫・買掛金といったストック項目も管理対象に含める必要があります。

    ただ、ストック数値(売上債権・棚卸資産・仕入債務)単独で動きを見るだけではなく、関連するフロー数値(売上・売上原価)とセットで分析するのが効率的といえます。

    例えば、海外子会社の売掛金残高が増加している場合、日本側としては、滞留のリスクを考える必要がありますが、それが売上高の伸びと同レベルであれば、相対的にリスクは低いものと考えられます。一方で、売上高の伸び以上に売掛金残高が増加しているのであれば、より詳細な分析が必要になるとか、そんな感じです。

    具体的には、ストック数値をフロー数値と組み合わせた財務比率(図8-2の各種回転期間など)が月次決算資料上で自動計算されるようにしておき、現地の分析結果を日本側でモニターするという方法が考えられます。

     

    だからこそ、月次決算の精度を上げるためのサポートが重要だとか、まだまだ書きたいことはあるのですが、今日はここまでです。

    では、では。

     

    この記事を書いたのは…
    佐和 周(公認会計士・税理士)
    現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

     

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