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セグメント情報の関連情報の開示

引き続きセグメント情報のことを書きます。

今回はセグメント情報自体ではなく、その「関連情報」の開示について。

 

1. 開示が求められる関連情報

前提として、セグメント会計基準で取り扱われているセグメント情報「等」には、セグメント情報のほか、セグメント情報の関連情報、固定資産の減損損失に関する報告セグメント別情報、のれんに関する報告セグメント別情報などが含まれます。

このうち、セグメント情報の「関連情報」として開示が求められるのは、以下の事項です(セグメント情報の中で同様の情報を開示する形でもOKです)。

(1) 製品及びサービスに関する情報
(2) 地域に関する情報
(3) 主要な顧客に関する情報

マネジメント・アプローチに基づくセグメント情報には、どうしても比較可能性の面で問題があるため、関連情報を開示させることで、補完的な情報を財務諸表利用者に提供するという位置付けです。

なお、報告すべきセグメントが1つしかなく、セグメント情報を開示しない企業であっても、関連情報は開示する必要があります。

以下、それぞれの項目について簡単に見ていきます。

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2. 製品及びサービスに関する情報

1つ目は、製品及びサービスに関する情報です。

(1) 開示項目

具体的な開示項目としては、製品・サービス区分ごとに、外部顧客への売上高を開示する必要があります。

この情報は、財務諸表利用者が、企業の「過去の業績」や「事業の成長可能性」を評価する際に重要なものだそうです。

製品・サービス区分というのは、主要な個々の製品またはサービスあるいはこれらの種類や性質、製造方法、販売市場等の類似性に基づく同種・同系列のグループをいいます。

(2) 重要性の判断基準など

この開示に関する重要性の判断基準としては、外部顧客への売上高が連結損益計算書または個別損益計算書(以下「損益計算書」)の売上高の10%以上である製品・サービス区分について、区分して開示する必要があります。

また、単一の製品・サービス区分の外部顧客への売上高が損益計算書の売上高の90%超である場合は、その旨を開示することで、上記の開示を省略することができます。

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3. 地域に関する情報

2つ目は、地域に関する情報です。

(1) 開示項目

具体的には、以下の事項を開示する必要があります。

(1) 国内の外部顧客への売上高に分類した額と海外の外部顧客への売上高に分類した額
海外の外部顧客への売上高に分類した額のうち、主要な国がある場合には、区分して開示する必要あり

(注)各区分に売上高を分類した基準をあわせて記載する必要がある

(2) 国内に所在している有形固定資産の額と海外に所在している有形固定資産の額
海外に所在している有形固定資産の額のうち、主要な国がある場合には、区分して開示する必要あり

(セグメント会計基準の)基本的な考え方としては、企業が事業活動を行う地域をまずは国内と海外に大別した上で、海外のうち区分して開示すべき重要な「国」がある場合に、それを区分して開示することとしています。「国」で区分するのは、近接する幾つかの国等をグルーピングした場合、異なる経済状況や政治的リスクを有する国が1つの地域として集約されてしまう懸念があるためです。

なお、上記に加えて、複数の国を括った地域(例えば、北米、欧州等)に係る額についても開示することは可能です。

(2) 重要性の判断基準など

この開示に関する重要性の判断基準としては、海外の外部顧客への売上高に分類した額のうち、単一の国の外部顧客への売上高に分類した額が、損益計算書の売上高の10%以上である場合、これを主要な国として区分して開示する必要があります。同様に、海外に所在している有形固定資産の額のうち、単一の国に所在する有形固定資産の額が、連結貸借対照表または個別貸借対照表(以下「貸借対照表」)の有形固定資産の額の10%以上である場合、これを区分して開示する必要があります。

また、国内の外部顧客への売上高に分類した額が損益計算書の売上高の90%超である場合には、その旨を開示することで、上記の開示を省略することができます。同様に、国内に所在している有形固定資産の額が貸借対照表の有形固定資産の額の90%超である場合には、その旨を開示することで、上記の開示を省略することができます。

(3) 地域に関する情報の重要性

上記のうち、売上高に関する情報は、財務諸表利用者が「特定の地域における経済状況の悪化のリスク」や「経済状況の好転による事業の成長可能性」を理解するために有用な情報であり、また、有形固定資産に関する情報は、「企業のリスクの集中(例えば、特定の地域における政治的リスク等)」を理解するために有用な情報であるとされています。

そんなに難しいことを言わなくても、地域別の売上高や有形固定資産の情報なので、海外売上高比率なんかも計算できて、どのくらい海外事業に依存しているかなども見えます。これは、個人的にめちゃくちゃよく分析する情報です。

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4. 主要な顧客に関する情報

3つ目は、主要な顧客に関する情報です。

(1) 開示項目

具体的には、主要な顧客がある場合には、以下の事項を開示する必要があります。

  • その旨
  • 当該顧客の名称(または氏名)
  • 当該顧客への売上高
  • 当該顧客との取引に関連する主な報告セグメントの名称

(2) 重要性の判断基準など

この開示に関する重要性の判断基準としては、単一の外部顧客への売上高(同一の企業集団に属する顧客への売上高を集約している場合には、その売上高)が、損益計算書の売上高の10%以上である場合に、当該顧客に関する情報を開示する必要があります。

今日はここまでです。

では、では。

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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