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内部統制基準・実施基準の改訂(公開草案):改訂されなかった項目

今週は、内部統制のことを書いています。

今回は、「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(公開草案)」において、「中長期的な課題」とされた項目について。

言い換えると、(その可能性があったものの)改訂の対象にならなかった項目のことです。

 

1. 中長期的な課題

結論から書くと、企業会計審議会の内部統制部会の審議において、問題提起があったものの、法改正を含む更なる検討が必要な事項として、中長期的な課題と位置付けられた項目は以下のとおりです。

  • サステナビリティ等の非財務情報の内部統制報告制度における取扱いについては、当該情報の開示等に係る国内外における議論を踏まえて検討すべきではないか。
  • ダイレクト・レポーティング(直接報告業務)を採用すべきかについては、内部統制監査の在り方を踏まえ、検討すべきではないか。
  • 内部統制監査報告書の開示の充実に関し、例えば、内部統制に関する「監査上の主要な検討事項」を採用すべきかについては、内部統制報告書における開示の進展を踏まえ検討すべきではないか。
  • 訂正内部統制報告書について、現在監査を求めていないが、監査人による関与の在り方について検討すべきではないか。
  • 経営者の責任の明確化や経営者による内部統制無効化への対応等のため、課徴金を含めた罰則規定の見直しをすべきではないか。
  • 会社法に内部統制の構築義務を規定する等、会社法と調整していくべきであり、将来的に会社法と金融商品取引法の内部統制を統合し、内部統制の4つの目的をカバーして総合判断できるようにすべきではないか。
  • 代表者による確認書において、内部統制に関する記載の充実を図ることを検討すべきではないか。
  • 定期的な開示から臨時的な開示に金融商品取引法が動いているのであれば、臨時報告書についても内部統制を意識すべきではないか。
(出典:金融庁 「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の改訂について(公開草案)」の公表について https://www.fsa.go.jp/news/r4/sonota/20221215.html)

非財務情報の取扱いとか、ダイレクト・レポーティングとか、最初に聞いたときはビビりましたが、そういう内容は、だいたい改訂対象とはならず、上記の「中長期的な課題」のほうに入ったような気がします。

素人目線では、「現状みたいに適当にやるか、US-SOXみたいな強度でやるか」の二択で、それは「J-SOXのコストとベネフィットをどう考えるか」という議論に収束しそうな気もしますが、プロが見ると、また違った世界が見えるんでしょうね。

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2. 内部統制報告制度の形骸化

ちなみに、上記のような問題提起の背景には、「内部統制報告制度の形骸化」という問題意識があったようです(内部統制部会の議事録にもそういう表現が出てきます)。

これについて個人的に気になったのは、「形骸化」という言葉の意味です。色んな辞書を見てみたのですが、やはり「中身のない形だけのものになってしまう」とか「もともとの意義が失われる」とか、そういうニュアンスですよね。

私が知る限り、日本の内部統制報告制度は誕生以来ずっとこんな感じだったような気がするのですが、それが「形骸化」した結果なのであれば、実は私の知らないところで、ちゃんと実体を伴っていた時期があったことになります。その事実が何よりの衝撃でした。

「ちょっと何言ってるか分からない」という方には、アンパンマンでいえば、「ホラーマンを描写する際に『形骸化している』という表現が適切か」と同じ議論だと考えて頂ければよいのではないかと思います(ちなみに、ホラーマンの名前が思い出せず、「アンパンマン 骨」で検索したことを自白します)。

今日はここまでです。

では、では。

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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