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佐和周のブログ

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定期借家契約と内部造作の会計上の耐用年数

今日はちょっとだけ会計関係のお話です。

少し前にお仕事で取り扱った内容について、さらっと書きます。

定期借家契約の場合の内部造作の償却期間

あまり詳しくないので、どれくらい一般的なことなのかわかりませんが、定期借家契約でオフィスを賃借している場合のお話です。

この場合、問題になるのが内部造作の償却期間です。

問題の所在は、「定期借家契約の契約年数<内部造作の法定耐用年数」という点にあります。

丁寧に説明したりはしないので、興味のある方だけご覧ください。

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前提:税務上の取扱い

前提として、他人の建物に対する造作の場合、一定の要件を充足すれば、税務上は(耐用年数通達により)賃借期間を耐用年数として償却することが認められます。

逆にいうと、内部造作自体の法定耐用年数より短い期間で償却できるということです。

具体的な要件としては、賃借期間の定めがあって、その賃借期間の更新ができない(かつ、有益費の請求または買取請求をすることができない)ことが必要です。

定期借家契約の場合、再契約はできるとしても、更新はできないので(たぶん)、はっきり言えない部分は残るのですが、この条件には当てはまりやすいと思います。

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早期償却の障害

利益(所得)が出ていれば、内部造作を早めに償却したいと思いますし、どういう状況であれ、早期償却のオプションがあるのは悪いことではありません。

ただ、ここでネックになるのが、税務上、減価償却費には損金経理要件があるということです。

言い換えると、会計上で減価償却費を計上して初めて、税務上も損金算入が可能になります。

会計上の取扱いは?

じゃあ、「この場合の会計上の取扱いは?」ということですが… これがよくわからないんですよね。

「減価償却に関する当面の監査上の取扱い」(監査・保証実務委員会実務指針第81号)では、耐用年数は、「各企業が自己の「資産」につき、経済的使用可能予測期間を見積もって自主的に決定すべき」とされています。

そして、その際には「企業の特殊的条件」も考慮する必要があります。

定期借家契約の場合の内部造作の償却期間について、監査法人の見解を確認してもらうと、結構もごもごする感じでした。まあ、企業が自主的に決定すべきものなので。

一方で、企業としては「再契約するかどうかわからないし、現状では賃借期間がベストの見積りでーす」と言うと、それはそれで通りづらいので、じゃあ、どうしたらいいのかと。

「契約期間が終了したら退去します」と断言すれば、たぶん会計上も賃借期間での償却が認められる(というか賃借期間で償却しなければならない)だろうし、「契約期間が終了しても再契約します」と断言すれば、たぶん法定耐用年数など(≒経済的使用可能予測期間)で償却することになるだろうと思います。

でも、実際には、「再契約するかもしれないし、しないかもしれないです。相手もあることだし」という状況が多いのではないでしょうか。こういうときにどうすべきかは、よくわかりません。私も結構もごもごします。内部造作にかけるコストとか見れば、常識的に判断できそうな気もしますけど。

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『不動産取引の会計・税務Q&A(第4版)』

ちなみに、『不動産取引の会計・税務Q&A(第4版)』(EY新日本有限責任監査法人他 編)に少しだけ言及があるのですが、結論は「慎重な検討が必要」です。

 

現首相みたいな物言いですね(誤解を招きそうなので書いておきますが、この本は慎重な検討ばかりしているわけではなく、普通にいい本です)。

確かIFRSだと、よほどのことがなければリース期間に一致させましょうみたいな話があったような、なかったような(調べないスタイル)。

今日はここまでです。

では、では。

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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