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レベル2のインプットの具体例(時価算定会計基準)

今日も、会計のことを書きます。

時価算定会計基準におけるレベル2のインプットについて。

 

1. レベル2 のインプットの定義

レベル2のインプットの定義は、以下のとおりです。

資産または負債について直接または間接的に観察可能なインプットのうち、レベル1のインプット以外のインプット

レベル2のインプットは、相場価格とそれ以外を分けて考えるのがいいと思います。

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2. レベル2のインプット

(1) レベル2のインプット(相場価格)

まず、相場価格のほうから。

レベル2のインプットには、相場価格が含まれますが、レベル1のインプット(詳細はこちら)とは異なり、「活発な市場の相場価格」ではないか、「同一の資産または負債に関する相場価格」ではないか、どちらか(あるいは両方)の制約付きです。

具体的には、レベル2のインプットとして分類される相場価格は、以下のとおりです。

  • 活発な市場における類似の資産または負債に関する相場価格
  • 活発でない市場における同一または類似の資産または負債に関する相場価格
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    (2) レベル2のインプット(相場価格以外)

    レベル2のインプットには、相場価格以外のインプットも含まれます。

    具体的には、以下のようなものです(あんまり具体的じゃないけど)。

  • 相場価格以外の観察可能なインプット
  • 相関関係等に基づき観察可能な市場データから得られるまたは当該データに裏付けられるインプット
  • 資産・負債には、契約期間が定められているものがありますが(例えば、スワップ取引に係るもの)、その契約期間のほぼ全体を通じて観察可能であるインプットは、レベル2 のインプットに該当します。

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    3. 適用指針におけるレベル2 のインプットの例示

    もう少し書くと、適用指針では、レベル2 のインプットについて、以下のような例示があります。

    (1) 全期間にわたり観察可能なスワップ・レート
    例えば、スワップ・レートに基づく固定受・変動払の金利スワップに関して、スワップ・レートが金利スワップのほぼ全期間にわたり一般的に公表されている間隔で観察可能である場合
    (2) ほぼ全期間にわたり観察可能な外貨建イールド・カーブに基づくスワップ・レート
    例えば、外貨建イールド・カーブに基づく固定受・変動払の金利スワップに関して、外貨建イールド・カーブに基づくスワップ・レートが金利スワップのほぼ全期間にわたり一般的に公表されている間隔で観察可能である場合

    上記(2)について、もうちょっと具体的にいうと、以下のようなケースです。

    ・金利スワップの期間は10年
    ・9年目までのスワップ・レートは一般的に公表されている間隔で観察可能
    ・10年目のスワップ・レートについてはイールド・カーブから合理的に推定することにより算出
    ・当該推定が金利スワップ全体の時価に対して重要性に乏しい
    (3) 観察可能な市場データに裏付けられるインプライド・ボラティリティ
    例えば、「3年物の株式オプション」に関して、以下の場合の「3年目までの推定によるインプライド・ボラティリティ」
    ・当該株式に係る1年物と2年物の株式オプションの価格が観察可能であり、かつ、
    ・推定により算出した3年物の株式オプションのインプライド・ボラティリティが当該オプションのほぼ全期間について観察可能な市場データの裏付けがある場合

    上記(3)について、もうちょっと具体的にいうと、以下のようなケースです。

    ・1年物及び2年物の株式オプションのインプライド・ボラティリティとの相関関係があることを前提として、
    ・1年物及び2年物の株式オプションのインプライド・ボラティリティからの推定によって算出され、
    ・比較可能な類似企業の3年物の株式オプションのインプライド・ボラティリティによって裏付けられる場合

    ちなみに、ボラティリティは「変動率」のことで、インプライド・ボラティリティは、実際のオプション価格から逆算される予想[予測]変動率のことです。IV・HVでいうと、IVのほうです(HVはヒストリカル・ボラティリティ)。

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    4. レベル2のインプットの具体例

    一般に、以下のような金融商品については、時価がレベル2に分類されやすいと思います。

  • 一部の国債
  • 地方債
  • 社債
  • 店頭取引のデリバティブ(観察可能なインプットを用いている場合または観察できないインプットの影響が重要でない場合)
  • 適用指針でも例示されていますが、金利スワップの時価は、レベル2の時価になることが多いと思います(長期の金利スワップや通貨スワップなんかは、レベル3に分類されることも)。

    あと、開示事例自体が少ないですけど、割引現在価値法により算定した長期貸付金の時価をレベル2に分類しているケースがあるようです。何となく普通に計算するとレベル3になりそうな気もするのですが、観察できないインプットの重要性が低いケースなんでしょうか。個人的に興味があるので、また開示が出揃ったら、見てみようかなと思います。

    【2022年8月追記】
    2022年3月期の注記(金融商品の時価等に関する事項)を見てみましたが、長期貸付金はレベル2もレベル3もある感じですね。

    例えば、以下の注記は私のイメージに近かったです。

    長期貸付金の時価は、将来キャッシュ・フローと国債の利回り等適切な指標に基づく利率を用いて割引現在価値法により算定しており、レベル2の時価に分類しております。また、一部の貸付金について、回収見込額等を基に割引現在価値法により算定しており、レベル3の時価に分類しております。

    一方で、以下のような注記もあります。

    貸倒懸念債権の時価は、同様の割引率による見積キャッシュ・フローの割引現在価値、又は、担保及び保証による回収見込額等を基に算定しており、レベル2の時価に分類しています。

    結局のところ、この注記って、何か意味あるんですかね。

    今日はここまでです。

    では、では。

    この記事を書いたのは…
    佐和 周(公認会計士・税理士)
    現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

     

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