セグメント情報の開示項目②:報告セグメントの利益・資産等・その他
引き続きセグメント情報のことを書きます。
今回は、セグメント情報の開示項目のうち、報告セグメントの利益、資産、負債及びその他の重要な項目の額について。
1. セグメント情報の開示項目
セグメント情報として、開示が求められるのは以下の事項です。
(2) 報告セグメントの利益(または損失)、資産、負債及びその他の重要な項目の額
並びにその測定方法に関する事項
(3) 開示項目の合計額とこれに対応する財務諸表計上額との間の差異調整に関する事項
(2)がメインの部分で、ここを見れば、各セグメント業績(フロー)のみならず、各セグメントへの資産(ストック)の配分状況もわかるようになっています。
2. 利益(または損失)、資産及び負債等の額
上記(2)のうち、報告セグメントの利益(または損失)、資産、負債及びその他の重要な項目について、もう少し具体的に開示項目をまとめると、以下のとおりです。
(負債に関する情報が、最高経営意思決定機関に対して定期的に提供され、使用されている場合)
(1) 外部顧客への売上高
(2) 事業セグメント間の内部売上高または振替高
(3) 減価償却費(のれんを除く無形固定資産に係る償却費を含む)
(4) のれんの償却額及び負ののれんの償却額
(5) 受取利息及び支払利息
(6) 持分法投資利益(または損失)
(7) 特別利益及び特別損失(+主な内訳)
(8) 税金費用(法人税等及び法人税等調整額)
(9) (1)から(8)に含まれていない重要な非資金損益項目
(注)報告セグメントの利益(または損失)の額の算定に含まれていない場合であっても、事業セグメント別の情報が最高経営意思決定機関に対して定期的に提供され、使用されているときには、各報告セグメントのこれらの金額を開示する必要があります。
この③は、たぶんみんながちゃんと見るところだと思います。
(1) 持分法適用会社への投資額(当年度末残高)
(2) 有形固定資産及び無形固定資産の増加額(当年度の投資額)
(注)報告セグメントの資産の額の算定に含まれていない場合であっても、事業セグメント別の情報が最高経営意思決定機関に対して定期的に提供され、使用されているときには、各報告セグメントのこれらの金額を開示する必要があります。
この④も、グループの重点投資対象が見えるので、結構重要だと思います。
なお、報告セグメントの資産に長期前払費用または繰延資産が含まれている場合には、上記④の「有形固定資産及び無形固定資産の増加額」に、その増加額を含めることができ、また、上記③の減価償却費に、その償却額を含めることができます(いずれの場合にも、その旨の記載が必要です)。
今日はここまでです。
では、では。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。