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外国税額控除の控除余裕額の使用に伴って計上すべき未収還付法人税等

今日と明日は、少しだけ普段のお仕事に関係することを書きます。

テーマは、最近ごちゃごちゃすることが多かった外国税額控除にします。

今日は、ちょっと会計にも関係するお話で、外国税額控除の控除余裕額の使用に伴って計上すべき(なのに忘れやすい)未収還付法人税等についてです。

外国税額控除における控除余裕額

早速ですが、外国税額控除には控除限度額(枠)というものがあります。

企業の業績が良ければ、外国税額控除の控除限度額が十分発生するので、これが控除対象となる外国法人税額を上回り、控除余裕額が発生します。要は枠が余っている状態ですね。

この控除余裕額は3年繰り越せるので、好業績が続けば、どんどん余った枠が積み重なっていくことになります。

■あわせて読みたい
外国税額控除の簡単な仕組みについては、以下の記事をご参照ください。

月刊『国際税務』連載より:控除対象外国法人税額とは

 

 

業績悪化時の外国税額控除

で、枠が余っている状況で、今回のコロナ禍のように急に業績が悪化するとどうなるかが今日のお話です。

仮に赤字(欠損)になったとしたら、その事業年度で控除限度額は発生しません。

ただ、例えば、海外からロイヤルティなどの入金があれば、控除対象外国法人税額自体は発生します。

そうすると、控除限度超過額が発生しますよね。ということは、これまで繰り越してきた控除余裕額を使う場面が来たということです。

つまり、業績が悪化しても外国税額控除は使えるわけですが、業績が良いときと違うのは、法人税等の納税がないということです(欠損なので)。端的には、外国税額「控除」といっても、控除する相手(法人税等)が存在しないと。

このときにどうなるかですが、国税部分は還付されます。よかったですね。

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決算引当時に考えるべきこと

このあたりは、急に言われると「?」となるかもしれませんが、間違って申告することはあまりないと思います。普通に申告書を書いていけばいいだけなので。

でも、決算引当(決算時の税金計算)ではどうでしょうか?

仮に期中で外国法人税を仮払勘定で処理していたとしたら、期末ではいったん全額を「法人税、住民税及び事業税」に振替えるはずです。でも、外国税額控除を含めて、還付される部分は「未収還付法人税等」を計上するはずなので、その部分について「法人税、住民税及び事業税」は残りません(当たり前ですが)。

でも、決算引当時に、この未収計上を忘れるケースを今までよく目にしてきました。

なので、皆さん、忘れないように気を付けましょう!(もう遅いけど)

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決算引当時に未収還付法人税等を計上していなかった場合の悲劇

じゃあ、未収計上を忘れるとどうなるでしょうか?

申告はちゃんとやるので(たぶん)、翌事業年度に入って、還付による入金があります。でも、それを受けて取り崩す未収還付法人税等は存在しません。そうすると、「法人税、住民税及び事業税」のマイナス(「法人税等還付税額」などの勘定を含む)で受けないといけなそうです。まさかそれ以外の勘定に入れることはないと思うのですが…

翌事業年度(還付による入金を受ける事業年度)で業績が回復していて、税金費用がいっぱい出ていれば、「法人税、住民税及び事業税」のちょっとのマイナスは隠れますが(隠していいのかどうかは重要性の問題なので、監査法人次第)、翌事業年度も欠損の場合、「法人税、住民税及び事業税」が全体としてマイナスになることがあります。

これって、結構やばい状況です(いい意味での「やばい」ではない)。どうやって外部に説明すればいいんでしょうか? 

え? まさかの「誤謬」? このあたりは、事後処理のプロである監査法人の領域です。

今日はここまでです(明日には続きません)。

では、では。

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