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インボイス制度:適格請求書類似書類等の交付禁止及び罰則

前回に引き続き、消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)についてです。

今回は、適格請求書類似書類等の交付禁止について、簡単に書きます。

0. この記事のポイント

インボイス制度の下では、適格請求書類似書類等の交付が明確に禁止されており、適格請求書等と誤認されるおそれのある表示をした書類なんかはNGです。違反すると罰則(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)があります。

 

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1. 適格請求書類似書類等の交付禁止

インボイス制度の下では、適格請求書類似書類等の交付が明確に禁止されています。

具体的には、以下のような書類の交付及び電磁的記録の提供がこれに該当します。

(1) 適格請求書発行事業者以外の者が作成した書類であって、適格請求書発行事業者が作成した適格請求書等であると誤認されるおそれのある表示をした書類
(2) 偽りの記載をした適格請求書等
(3) (1)または(2)の書類の記載事項に係る電磁的記録

シンプルには、免税事業者がインボイスに類似した請求書等を交付するのはアウトということです。

そりゃそうですよね。

当たり前のことなんですが、この場合には、仕入側の仕入税額控除も否認されます。

当局の立場からすると、売手側と仕入側が一体となって行う脱税にもつながる、という懸念があるんでしょうね。

2. 注意すべき点(2022年9月一部追記)

誤認を防ぐという意味では、適格請求書じゃないのなら、リファレンスには「T」とか付けないほうがよさそうです(適格請求書の記載事項はこちら)。

でも、この点はどれだけ真剣にチェックされるのか、ちょっと疑問です。

というのも、以下の記事にまとめたように、免税事業者が請求書等に消費税を書いたからといって、適格請求書類似書類等には該当しないとのことです。これがセーフなら…まあ、いいや。

 

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3. 罰則(2022年8月一部追記)

ちなみに、これに違反すると罰則があります。

具体的には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

罰金が科されると、次の段階として登録の取消しも規定されています(詳細はこちら)。

この点について、税務通信(3713~3715号)の財務省主税局の人が参加する座談会の記事で、少し言及がありました。

上記の「偽りの記載をした適格請求書等」の関係だと思いますが、質問としては、「例えば1円の端数が違っている場合に、これが偽造インボイスと認定されて、罰則が適用されるのではないか」という懸念があるそうです。

世の中にはいろんな人がいるもんだなあと思います。

これに対する回答は、「端数処理が違うということについて「偽りですね」と当局は指摘しないのではと思います」という感じです。端数処理の話は、基本的には「誤り」を前提にしていて、「偽り」と「誤り」は別概念ということですね。

今日はここまでです。

では、では。

■インボイス制度に関する記事の一覧はこちら

 

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この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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