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インボイス制度:建設仮勘定・短期前払費用などの令和5年10月1日前後の取引

今週は、消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)のことを書いてます。

2023年4月に国税庁の「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」が改訂されたので(詳細はこちら)、そこで新たに追加された項目について。

今回のテーマは、昨日の続きで、令和5年10月1日前後の取引に係る適用関係です。

 

1. 令和5年10月1日前後の取引に係る適用関係

昨日は「令和5年10月1日前後の取引において、売手の売上計上時期と買手の仕入計上時期が異なる場合の取扱い」というテーマでした。

Q&Aでは、同じQで、いくつか令和5年10月1日前後のカットオフみたいな話があるので、ついでにご紹介します。

2. 建設仮勘定等に係る課税仕入れの計上時期

まず、建設仮勘定(や未成工事支出金)について。

建設仮勘定(及び未成工事支出金)に係る課税仕入れの計上時期については、建設工事等の目的物の引渡しまたは完成の日の属する課税期間の課税仕入れとすることができます(建設仮勘定についてはこちら)。

この場合、その引渡し等の日(課税仕入れを計上する日)が令和5年10月1日以後であったとしても、建設仮勘定等の基礎となる課税仕入れに含まれる令和5年10月1日前の取引については、インボイス制度の適用はありません(区分記載請求書等保存方式により仕入税額控除の適用が可能です)。

3. 短期前払費用に係る課税仕入れの計上時期

次に、短期前払費用について。

短期前払費用に係る課税仕入れの計上時期について、その支出した日の属する課税期間の課税仕入れとすることができます(こちら)。

この場合、短期前払費用に係る取引に係る売手における課税売上げの計上時期(課税資産の譲渡等の時期)が令和5年10月1日以後になるものであっても、買手において同日前までに課税仕入れを計上しているものについては、インボイス制度の適用はありません(区分記載請求書等保存方式により仕入税額控除の適用が可能です)。

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4. 電気料金等の取扱い

最後はおまけですが、電気料金等のように、検針日基準で売上げ及び仕入れを計上している場合の取扱いです。

この場合、検針した期間に令和5年10月1日を含んでいたとしても、検針日により売上げ及び仕入れを計上している限り、令和5年10月1日前後の取引を厳密に区分する必要はないそうです。

今日はここまでです。

では、では。

■インボイス制度に関する記事の一覧はこちら

 

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この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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