会計英語㉑ 「減損処理する」&「減損損失」を英語で
前回からちょっと間が空きましたが、「話すときに使いやすい会計英語シリーズ」です。
Table of Contents
1. 「減損処理する」を英語で
再開するときの用語選択として適切かはわかりませんが、「減損処理する」って英語で何というのでしょうか?
答えは…
to recognise [recognize] an impairment lossというのが一番日本語に近いと思います。
以下順を追ってご説明します。
2. 「減損している」を英語で
まず、「減損処理する」という状況が発生するのは、(固定)資産が減損しているときです。
固定資産の減損とは、「資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった状態」を指します。
この状況自体は、以下のように表現します。
(減損している)
ここでいうimpairは「~(価値など)を損なう、減じる」という意味合いです。
そういう状態になっているので、受動態で表現するわけで、例文で見ると以下のような感じです。
(資産が減損している)
つまり、これは、資産の状況を示す表現であり、厳密には減損「処理」をしたという意味ではありません。
例えば、自らの決断で大型買収を断行した経営者は、仮にその後「のれん」が減損した状態になっていたとしても、自ら進んで減損処理をすることはないと思います(例としてはすごく適切なはずですが、ある意味すごく不適切という)。
【注記事例】「のれん」の減損損失が計上される理由
3. 「減損損失」を英語で
減損処理とは、「固定資産が減損している場合に、回収可能性を反映させるために帳簿価額を減額する会計処理」をいいます。つまり、減損した固定資産について、能動的にそういう処理を行うということです。
その結果、計上されるのが「減損損失」ですが、これはシンプルにimpairment lossと訳すのが一般的です。
4. まとめ:やっぱり「減損処理する」は英語で…
ごちゃごちゃとした話になってしまいましたが、以上をまとめると、「減損処理する」というのは、(状態として)減損した資産について、「減損損失を計上する」という意味合いになります。
そのため、「減損処理する」の適切な英訳としては、以下になるのではないかと思います。
(減損損失を計上する ➡ 減損処理する)
to recogniseで、能動的なニュアンスを出したほうがいいってことですね。
今日はここまでです。
では、では。
「減損損失」
➡ impairment loss
「減損損失を計上する=減損処理する」
➡ to recognise an impairment loss
「(1) 単語を覚える → (2) 単語の組み合わせを覚える → (3) 英語を書く →(4) 英語で話す」の4段階に分けて、英語の勉強法(やオススメの書籍など)について書いています。
公認会計士が会計の英語を勉強したときの経過(4段階)
上記の段階に沿って、実際に私がどうやって英語の勉強をしてきたかを書いています。また、この記事の番外編では、「家出のドリッピー」的教材についても考察(?)しています。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。
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