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佐和周のブログ

雑感

公認会計士が会計の英語を勉強したときの経過(4段階)

以前、以下の記事を書きました。

会計・税務の英語の勉強法-4段階で必要なスキルを考える

この記事だけは妙に反響が大きくて、具体的な話を聞きたいというリクエストをいっぱい頂きました。逆にいうと、普段書いている記事は何なのかという。。。

私が会計の英語を勉強したときの経過

ということで、今日は、私(=公認会計士)がどうやって会計分野の英語を勉強したか、を書いてみたいと思います。

直接この記事に来られた方のために、私のプロフィールはこちらです。
TOEICのスコアは990(だいぶ前)で、英語で話すときはすごくゆっくりです。

上記の記事では、以下の流れで書いたので、それに沿って書いていきます。

(1) 単語を覚える
(2) 単語の組み合わせを覚える
(3) 英語を書く
(4) 英語で話す

最初にお断りしておきますが、私は特殊な環境(ある意味で恵まれた、そしてある意味ですごく恵まれない環境)にいたので、万人の参考になるものではないです。

(1) 単語をどうやって覚えたか

私は大学を卒業して、すぐに監査法人に入りました。

その頃は、英語自体はある程度できましたが、会計分野の英語表現は全く知りませんでした。

その状態から、どうやって会計の英語を覚えたかですが、これは完全に受け身です。やりたくて勉強したわけではありません。

監査ツールの翻訳

監査法人で何をやったか(やらされたか)というと、監査ツールの翻訳作業です。入社1年目だったと思いますが、ツール上の英語で書かれた勘定科目の横にひたすら日本語訳を付けていきました。

その作業の過程で、英和・和英の会計用語辞典のような本に載っているような単語は、だいたい覚えてしまいました。

ただ、その監査ツールには、普通の勘定科目ではなく、特定の業種特有の勘定科目も含まれており、そういったものは分厚い辞典で調べたり、海外企業の財務諸表(注記など)から内容を推測したりしました。

そういう調べ物は、非常にいいトレーニングにはなったのですが、品質管理部門みたいなところにブースをもらって、2~3か月間(たぶん)、ひたすらそういう作業をしていたので、最後には「ここから出してください。普通の監査をやらせてください。」と懇願した(そして、人事担当パートナーに怒られた)ことを覚えています。監査法人の品質管理部門って、普通の人間があんまり長い間滞在すべきところじゃないですよね。

普通の英単語の勉強

この間、会計の英単語ばかり覚えていたこともあり、自分の中でのバランスが崩れている気がしていました。defeasanceみたいなマニアックな単語は説明できるのに、Cheers!みたいな簡単な表現ができないのは、どう見ても気持ち悪い人だと。

なので、普通の単語もちょっと覚えたほうがいいと思い、TOEIC用の単語の本をお昼休みとか、行き帰りの電車で読んでいたのを覚えています。

アルクの本で、だいたいスコアで800~900くらい向けのものだったと思います。今だと、以下のような感じの本ですね。

 

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(2) 単語の組み合わせをどうやって覚えたか

次に、単語の組み合わせ(特に動詞+名詞)をどうやって覚えたかですが、これも上記の翻訳作業でかなり覚えました。海外企業の財務諸表、特に注記部分を読むうちに、自然に覚えていった感じです。

それ以外では、仕事で、担当企業の海外子会社の連結パッケージや財務諸表を見る機会も比較的多くありました。

一時期に集中的に英語を読むことの重要性

このあたりの作業も、断続的にバラバラとやるのではなく、一時期に集中してやることが重要だと思います。

私の場合は、海外子会社を多数保有している日本企業に対するDDの際に、その海外子会社の決算書を全部読んだことがあり、そこで開眼した(=「ああ、こんな感じなんだな」というのが分かった)気がします。DDのスケジュールがあまりに厳しく、「開眼」を超えて「解脱」していたという説もあるくらいです。

固定のツールを持つことの重要性

そういう地道な積み重ね以外では、ちょっと本は読みましたが、ツールとしては、以前も書いたとおり、英辞郎をよく使っていました(今は一部有料)。例えば、組み合わせを知りたい名詞を入力して、出てくる例文から、その名詞とセットで使ってもおかしくない動詞なんかをチェックする感じですね。

英辞郎 on the WEB Pro

 

ツールとしては、そういうウェブサイトでもいいですし、本でもいいと思いますが、いつも同じツールを使い続けることが大事だと思います。

まあ、細かな工夫はしていたと思いますが、結局のところ、集中的に英語を使う時期が定期的にあり、そこで単語の組み合わせを自然に覚えていった感じです。

なので、ここまでの段階は自発的に何かをやったという感触は残っていません。

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(3) 英語の文章(メール)の書き方をどうやって覚えたか

次の段階は、インプットというよりアウトプットで、英語の文章の書き方をどう覚えたかです。

私の場合、シニアになった頃から、仕事で英語を使う機会が増えてきました。シニアといっても、おじいちゃんのことではなく、要はだいたい入社から3~4年目くらいってことです。

この頃は、英語を読んだり、聞いたりは問題なくできるものの、書くのはちょっと時間がかかっていたと思います。また、話すほうは日常会話には困らないものの、仕事のことを(つまり、会計のことを)会議や電話で話すのはちょっと不安でした。

仕事でのメールのやり取り

この時期に多かったのは、海外とのメールのやり取りです。当時の担当企業は、海外子会社の数がかなり多かったので、各子会社の監査チームの担当者とメールでやり取りする機会が多くありました。

また、資料を提出してくれないところには、その都度電話で督促するので、電話でたどたどしく話す機会もそこそこあったと思います。

この段階になって、自分が書く英語に引っかかりが多いというか、スムーズじゃないことが気になってきました。

一般的な英語表現の本で勉強

そこで、会計・税務分野の本ではなく、一般的な英語表現(メールの表現)の本を買って、メールの書き方を勉強しました(題名は思い出せません)。あとは、米国・英国とのメールでのやり取りが多くあったので、相手のメールを見て、「ああ、そういう言い方するんだな」というのも、よくメモしていたと思います。

以前にも書きましたが、今ある本だと、以下がオススメです。

 

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(4) どうやって英語で話すトレーニングをしたか

次に、英語を話すためのトレーニングについてです。私はここが一番苦戦しました。

英会話学校に

時間的には少し前後するのですが、シニアになる少し前くらいから、英語を話すことの必要性自体は感じていました。そして、仕事をやるうちに、だんだんとそれが「話せないとまずい」という危機感に変わってきたと思います。

で、最初にやったのは、英会話学校に通うことです。

英会話学校に行くことで、「自分がなぜ喋れないのか」が少しわかりましたが、喋れるようになる気はしませんでした。そして、この点は、英語を書くほうがスムーズになってもあまり変わらず、「このまま英会話学校を続けても、費用対効果はイマイチだ」という結論に至りました。

今ならオンラインの英会話で、もっとコストを抑えられると思いますが。

 

イギリスにホームステイ

そういうモヤモヤした状態のなか、1つ目の転機が、監査法人のホームステイのプログラムを使って、イギリス(ケンブリッジ)で本格的に英語を勉強させてもらったことです。

確か2週間くらいだったと思いますが、すごく教育熱心なおばあちゃんに、「普通の英語+会計の英語」を教えてもらいました。レッスンの他に、昼は一緒に買い物に出かけたり、夜は一緒にニュースを見たり、とにかく四六時中英語のことを考えていました。

英語を喋らないと怒られるし、(アメリカをけなしつつ)イギリスを礼賛しないと怒られるという環境の下、「怒られることで伸びる」キャラの本領を発揮して、ここで少し喋れるようになったと思います。

私の場合、いい先生(おばあちゃん)に巡り会えたことが大きかったですが、2週間英語漬けになって、それに専念できれば、多くの人は何かをつかめるはずです。問題は、社会人がそういう環境を得るのは容易ではないということだと思います。

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ちょっとしたチート

そして、2つ目の転機が、これも監査法人のプログラムで、K/Hシステムというものに出会ったことです。

勝手にリンクを貼るわけにはいかないので、Amazonの書籍のリンクを貼っておきますが(書籍自体をオススメしているわけではありません)、この書籍の著者の方々が主催するトレーニング・プログラムで、これを社内研修の形で受講させてもらいました。

 

最初に教えてもらった方法論があまりにも凄くて、自分の中では「言われたとおりにやれば、絶対できるようになる」という確信みたいなものがありました。最初にはっきりと方法論の全体像を示してもらえたのが、おそらく自分の性格に合っていたのだと思います。

なので、この時期は仕事も忙しかったのですが、このプログラムだけは本当にがんばってやりました。このときに初めて自我が芽生えた(?)というか、「努力して英語を話せるようになろう」と決意した気がします。空き時間はほとんど費やしましたが、講師の方々もすごく熱心で、また明らかに伸びていくのがわかるので、あんまりしんどいとも思わなかったように記憶しています。

そして、このプログラムが終わる頃には、仕事のことを(つまり、会計のことを)会議や電話で話すのにも、昔ほど抵抗はなくなっていました。

このプログラムのおかげで純粋に英語力が向上したことや、「職場で使える英語表現」みたいなものを教えてもらったこともありますが、自信が付いたこと(メンタル面)も大きかったと思います。このプログラム後は、ちょっと準備をしておけば、落ち着いて話せるようになっていました。

その後の海外生活など

そこから、紆余曲折はあったものの、TOEFLを受けて、イギリスのマンチェスターに行きました。そこで、GMATも受けつつ、ついでにOld Traffordに行ったりしました。

 

で、ケンブリッジのMBAに行き、ついでに欧州各国を旅行しました。この期間で、プレミア・リーグや欧州各国の美術館など、趣味に関する知識…じゃなかった、会話表現なども含めて、英語を深く学ぶ機会を得ました。

2年以上現地で生活すれば、さすがに喋れるようにはなります。気分的な問題かもしれませんが、日本を飛び出すと、やっぱり上達は早くなる気がします。

そして、最終的には、ルーニー(Wayne Rooney)の英語がギリギリ聞き取れるか、聞き取れないか、ちょっと真似できるんじゃないか、というレベルにまで到達しました。

なお、MBAのときは、サッカーの試合や各種パーティーなどに家族を連れていくことも多かったのですが、同級生と話す私を見て、当時6歳だった長女は「何でお父さんだけ、ゆっくりしゃべってるの?」と素朴な疑問を投げかけてきました。

そういうレベルに到達したということです。

まだまだトレーニング継続中(2021年10月追記)

帰国後は、仕事で英語を使う機会が増え、特に独立してからは、海外出張も含めて、英語を話す頻度はかなり上がりました。

ただ、最近は、コロナ禍で海外出張が減ってしまったので、ただいまオンライン英会話を実験中です。

ちなみに、今のところのオススメはレアジョブ英会話です(詳細は以下のリンクからどうぞ)。

レアジョブ英会話

 

感想(ただし、身代わりによる)は以下の記事にまとめました。

 

次回に続きます(高校時代に使ったリスニング教材などについて書いています。特に、「家出のドリッピー」や「THE CHASE」でピンとくる同世代の方はぜひご覧ください)。

 

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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