グローバル・ミニマム課税:⑦適用免除基準(=少額除外基準)とは(大綱)
一昨日(2022年12月16日)、令和5年度与党税制改正大綱が公表されたので、そのうち「グローバル・ミニマム課税への対応」という項目について、1記事あたり10分で(W杯決勝開始から逆算)、少しずつ書いています。
端的には、GloBEルール(第2の柱)のうちIIRに関するお話で、今回は適用免除基準がテーマです。
Table of Contents
1. GloBEルールにおける少額除外基準
GloBEルールには、少額免除基準による除外規定(de minimis exclusion)があります(以下の記事参照)。
具体的には、以下の要件をいずれも満たす場合、その国・地域に所在する構成事業体のトップアップ税額は、該当する事業年度においてゼロとみなされます。
・その国・地域における平均GloBE収益が1,000万ユーロ未満であること
・その国・地域における平均GloBE所得が100万ユーロ未満であること(損失の場合を含む)
・その国・地域における平均GloBE所得が100万ユーロ未満であること(損失の場合を含む)
上記の「平均」というのは、その事業年度+過去2事業年度の平均を指します。
2. 適用免除基準
大綱では、「適用免除基準」という表現ですが、中身はだいたい同じです。
具体的には、特定多国籍企業グループ等に属する構成会社等(各種投資会社等を除く)が、各対象会計年度において、以下の要件の「全て」を満たす場合には、その構成会社等の所在地国における当期国別国際最低課税額は、零とされます。
その構成会社等の所在地国におけるその「対象会計年度」及びその「対象会計年度の直前の2対象会計年度」に係るその特定多国籍企業グループ等の…
(1) 収入金額の平均額として計算した金額が1,000万ユーロ相当額に満たないこと
(2) 利益または損失の額の平均額として計算した金額が100万ユーロ相当額に満たないこと
(1) 収入金額の平均額として計算した金額が1,000万ユーロ相当額に満たないこと
(2) 利益または損失の額の平均額として計算した金額が100万ユーロ相当額に満たないこと
これもいつかは円換算されるんでしょうか。
3. その他
その他、大綱では、一定の国別報告事項における記載事項等を用いた経過的な適用免除基準を措置することとされています。
今回はここまでです。
では、では。
この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。