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GloBEルール:モデル・ルールとは(第2の柱)

先週金曜日、月刊『国際税務』での連載「新任社員のための イチから分かる! 国際税務の仕組みとポイント」のことを書きました(こちら)。

 

1. GloBEルール

そこで書いたのは、新しい国際課税の枠組みのことですが、今日はそのうちGloBEルール(のモデル・ルール)について。

まず、GloBEルールは、多国籍企業に対する最低限の税負担を確保するために導入される国内法上の措置です。最低税率(15%)を導入する「Pillar Two(第2の柱)」の構成要素の1つですね。

ちなみに、GloBEは、Global Anti-Base Erosionの略なので、lとoは小文字です(どうでもいい)。

2. 時系列で見ると

GloBEルールに関係するところで、OECD/G20(Inclusive Framework on BEPS)からの公表を時系列で見ると、以下のような感じです。

2021年10月:新制度に関する合意を公表(140近い国・地域)
2021年12月:GloBEルールに関するモデル・ルールを公表
2022年3月:モデル・ルールの解説を記載したコメンタリーを公表

ちなみに、GloBEルールのうち、IIR(所得合算ルール:Income Inclusion Rule)は2023年から施行予定なので、次の税制改正(令和5年度税制改正)で導入という流れでしょうか。

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3. GloBEモデル・ルールの内容

上記の連載の原稿を書いたときには、確かまだGloBEルールに関するモデル・ルールは出ていなかったので、このブログでモデル・ルールの内容を簡単に書いていこうと思います。

まず、モデル・ルールの構成は以下のとおりです。

1. Scope
2. Charging Provisions
3. Computation of GloBE Income or Loss
4. Computation of Adjusted Covered Taxes
5. Computation of Effective Tax Rate and Top-up Tax

6. Corporate Restructurings and Holding Structures
7. Tax neutrality and distribution regimes
8. Administration
9. Transition rules
10. Definitions

私がちゃんと読んだのは、2章~5章です(10章を適宜参照しながら)。

感想としては、純粋な税務というよりは、ちょっと会計寄りかなと思いました。

あと、これがコンプライアンス業務に組み込まれたら、結構きつそう。

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4. 重要なのは実効税率

Pillar Two(第2の柱)が最低税率(15%)を導入するものだとしたら、おそらく上記のモデル・ルールの項目で一番重要なのは、実効税率(Effective Tax Rate)の計算です。なぜなら、GloBEルールにおいては、それと最低税率(15%)と比較する形でトップアップ課税を考えるからです。

実効税率の計算は、「5. Computation of Effective Tax Rate and Top-up Tax」に示されています。

実効税率なので、シンプルな計算式は「税金/所得」ですが、実際には分母子とも結構複雑な調整が必要になります。

主に分母の計算に関わるのが「3. Computation of GloBE Income or Loss」、分子の計算に関わるのが「4. Computation of Adjusted Covered Taxes」で、いずれも読むのは結構苦痛です。

5. IIRで考えます

GloBEルールは、IIRとUTPRにより構成されますが、UTPRのほうはIIRを補完するもので、しかも断然複雑です(このあたりは「2. Charging Provisions」に書いてあります)。

また、GloBEルールは、各国の国内法に反映されていく予定ですが、日本の場合、IIRの導入に障害が無い気がします(知らんけど)。

なので、今後、とりあえずはIIR(所得合算ルール:Income Inclusion Rule)のほうを念頭に置きながら、GloBEルールのことを書いていこうと思います。

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6. GloBEルールに関心を持つ個人的な理由

最後に、個人的にこのGloBEモデル・ルールに関心を持っているのは、それが国際課税の枠組みを大きく変える可能性があるからです。

その意味では、Pillar Oneも同じですが、それよりも適用範囲が広いうえ、個人的な関心事であるタックス・ヘイブン対策税制にも関係してきそうなので。

また、今度書きますが、Qualified Domestic Minimum Top-up Taxという仕組みなんかは、色々な国(特に新興国)の現地法にも影響しそうです。

ついでにいうと、GloBEルールでは財務会計上の数値を使うケースが多いので、会計とも親和性が高くて、ロジックは理解しやすい印象です。

経験上、制度の変革期は、最新情報を追っておいたほうが後々ラクなので、ちゃんと勉強しておこうと思います。

このブログにはたぶんちょっとしか書きませんが、ぜひお付き合いください。

今日はここまでです。

では、では。

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