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月刊『国際税務』連載より:「租税条約とは」を5つの文で

(写真は株式会社税務研究会様の許諾を得て掲載しています)

オススメの雑誌:月刊『国際税務』

以前、以下の記事で、月刊『国際税務』をご紹介しました。

オススメの雑誌紹介:月刊『国際税務』

連載:「新任社員のための イチから分かる! 国際税務の仕組みとポイント」

月刊『国際税務』では、いま「新任社員のための イチから分かる! 国際税務の仕組みとポイント」という連載を持たせて頂いています。

編集部の許可を頂いたので、今日は、その内容をちょっとだけご紹介します。

が、連載と同じように書いてもつまらないので、少し違った角度から書いてみます。

連載第3回 「租税条約」

今日は連載の第3回「租税条約」から、租税条約のエッセンスを5つの文で書いてみたいと思います。

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「租税条約とは」を5つの文で書いてみる

早速始めます。

(1) 租税条約とは、二重課税の軽減・排除や脱税の防止などを目的として、主権国家の間で締結される成文による合意をいい、日本は多くの国(2020年10月1日現在で、140の国や地域)と租税条約を締結しています。
(2) 租税条約には、「国内法上の減免措置や納税者にとって有利な取扱いが租税条約の締結によって損なわれることはない」という原則(「プリザベーションの原則」)があり、租税条約により租税が減免されることはあっても、租税条約が新たな課税関係を創出することは基本的にありません(ただし、例外あり)。
(3) 実務で租税条約を使う場面としては、源泉税を減免するケースが圧倒的に多いと考えられます。
(4) 租税条約には、本来であればその特典(e.g. 源泉税の減免)を享受することのできない者が、中間会社などを使って租税条約の特典を受けるような行為(「トリーティー・ショッピング」)を防止するための規定として、特典制限条項(LOB条項)が含まれていることがあります。
(5) 租税条約の関係では、BEPS防止措置の租税条約への取込みを目的とした多国間の条約として、MLI(「BEPS防止措置実施条約」)があり、これが既存の租税条約を(同一の内容で)一斉上書きしているため、租税条約の相手国がMLIに参加している場合、租税条約だけでなく、MLIもセットで確認する必要があります。

それぞれ、1文がちょっと長めなのはご容赦ください。

連載では、こういう内容をもうちょっとわかりやすく解説しています。

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国内法と租税条約の適用関係

一番大事なところだけ、もうちょっと付け加えます。

上記(3)のとおり、実務で租税条約を使う場面としては、源泉税を減免するケースが圧倒的に多いですが、上記(2)のとおり、「プリザベーションの原則」があるので、国内法と租税条約の適用関係をまとめると、下表のようになります。

パターン②みたいに、租税条約の適用により源泉税が減免されるのが基本です。

例えば、ある国の企業からロイヤルティ(使用料)を回収するときに、その国の国内法(所得税法など)で、「使用料の源泉税率=20%」と規定されているとします。これがそのまま適用されれば、100のロイヤルティに対して、20(=100×20%)が現地で源泉徴収され、入金は税金を差し引かれた後の80になります。でも、日本とその国との間に租税条約があり、その租税条約で、「使用料の限度税率=10%」と規定されていれば、租税条約の適用により、源泉税は20から10(=100×10%)にまで軽減されます。

これがパターン②の例で、租税条約のほうが有利なので(限度税率のほうが低いので)、租税条約の規定が結論になるってことです。

でも、パターン③みたいに、国内法のほうが有利なら、そのまま国内法の規定が結論になるってことですね。このパターン③で、「プリザベーションの原則」のイメージがつかんで頂けると思います。

今日はここまでです。

では、では。

 

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