インボイス制度:登録申請の期限は結局2023年9月30日に
2023年1月20日(たぶん)に財務省のウェブサイトに「インボイス制度の負担軽減措置(案)のよくある質問とその回答」(以下FAQ)という資料が公表されました。
主な内容はこちらに書いたのですが、このブログでもその内容について少しずつ書いていきます。
今回は適格請求書発行事業者の登録申請の期限について。
1. 登録制度の見直しと手続の柔軟化
令和5年度の税制改正大綱には、大きく分けて4つの負担軽減措置がありますが、その中に「登録制度の見直しと手続の柔軟化」という項目があります(以下の記事をご参照ください)。
2. 実質的な登録申請の期限は2023年9月30日に
インボイス制度については、制度開始の令和5年(2023年)10月1日に適格請求書発行事業者の登録を受けたければ、原則として、令和5年3月31日までに登録申請書を提出しておく必要があります。
これに関して、FAQには、令和5年3月末が登録申請の期限であることを前提としつつ、「その後の申請では登録できないのか」という質問があります。
期限が9月末まで(実質的に)延長されているのは、もう周知の事実なのですが、一応これに対する回答の概要は以下のとおりです。
- 令和5年10月1日のインボイス制度の開始にあわせて登録を受けるための期限は、令和5年3月31日
- ただし、4月以降の登録申請であっても、9月30日までに行われたものについては、制度開始日(令和5年10月1日)に登録を受けることが可能
上記の回答は回りくどいですが、普通の日本語でいうと、登録申請の期限は令和5年(2023年)9月30日ということですね。
背景としては、当初は4月以降に申請する場合、制度開始日に登録を受けたものとみなす宥恕規定の適用を受けるためには、申請書に「期限までの申請が困難な事情」を記載することとされていました。しかしながら、大綱ではこの「困難な事情」の記載が不要とされています。
というか、ことインボイスとなると、財務省はほんと親切ですね。グローバル・ミニマム課税のFAQはまだなんでしょうか?
今日はここまでです。
では、では。
↓インボイス制度に関するオススメの書籍です(私の本ではないです。制度開始後の6訂版です。「決定版」らしいです。3訂版の紹介記事はこちら)。
6訂版 Q&Aでよくわかる消費税インボイス対応要点ナビ【決定版】(Amazon)
↓インボイス制度をカバーした『海外取引の経理実務 ケース50』の3訂版です(私の本です。紹介記事はこちら)。
これだけは押さえておこう 海外取引の経理実務 ケース50〈第3版〉(Amazon)
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。