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インボイス制度:2割特例を適用した課税期間後の簡易課税制度の選択

消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)について、いくつか書きかけの記事があったので、そのまま上げておきます。

2023年4月に国税庁の「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」が改訂されたので(詳細はこちら)、そこで新たに追加された項目について。

今回のテーマは、2割特例を適用した課税期間後の簡易課税制度の選択です。

 

1. 2割特例を適用した課税期間後の簡易課税制度の選択

Q&Aには、以下のようなQが追加されています。

小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置(2割特例)の適用を受けていましたが、翌課税期間から2割特例が適用できなくなるため、簡易課税制度の適用を受けたいのですが、いつまでに消費税簡易課税制度選択届出書を提出すればよいですか。

これについては、すでに別の記事にまとめたような気もしますが、とりあえずQ&Aに沿ってまとめます。

2. 消費税簡易課税制度選択届出書

前提として、簡易課税制度を適用して申告する場合には、原則として、その適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります。

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3. 2割特例との関係

この点、2割特例(小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置)の適用を受けた事業者が、その適用を受けた課税期間の翌課税期間中に、納税地を所轄する税務署長にその課税期間から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載した「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出した場合には、その課税期間の初日の前日に「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出したものとみなされます。

4. Q&Aにおける具体例

例によって、Q&Aの具体例を使います。

例えば、令和8年分まで2割特例により申告を行った個人事業者がいたとします。

この個人事業者が翌年分から簡易課税制度の適用を受けようとする場合には、令和9年中に「消費税簡易課税制度選択届出書(令和9年分から簡易課税制度の適用を受ける旨を記載したもの)」を提出すればよいことになります。

そうすれば、令和9年分から簡易課税制度の適用を受けられるので。

図示すると、下図のとおりです。

 

今日はここまでです。

では、では。

■インボイス制度に関する記事の一覧はこちら

 

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この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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