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佐和周のブログ

雑感

オススメの書籍紹介:『16歳からのはじめてのゲーム理論』

ひょんなことから、オススメの本をこのブログでご紹介していくことになりました。

今回は『16歳からのはじめてのゲーム理論』です

今回は2冊目ということで、『16歳からのはじめてのゲーム理論』(鎌田 雄一郎(さん)著。ダイヤモンド社)という本です。

 

この本は、タイトルのとおり、16歳の子供でも理解できるように書かれているので、娘のために買って、ついでに自分でも読んでみたという経緯です。

明らかに私は16歳ではないのですが、16歳「からの」なので、私のようなおじさんが読んでも許されるはずです。

主人公はネズミの親子

ゲーム理論自体は、私が説明しても仕方がないのですが、他者の存在がある状況下での意思決定や行動なんかを数学的なモデルで考えるものだと思います。

で、主人公はネズミの親子です。

そのネズミの親子がいくつかの人間の家に侵入して、人間たちが身近な問題を議論している様子を「俯瞰」し、その問題をゲーム理論の視点で分析していきます。

ちなみに、俯瞰と書きましたが、正確には、鳥瞰ならぬ「鼠瞰(ちゅうかん)」らしいです(笑)

本書の副題に「"世の中の意思決定"を解き明かす6.5個の物語」とあるのですが、どの物語も、大学で学ぶような内容をわかりやすい物語の形に置き換えてあります。

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ナップ・タイム

その6.5個の物語の中で敢えて1つを挙げるなら、0.5個分の物語でしょうか。第3.5章の「ナップ・タイム」です。

設定としては、1匹のネズミがいて、100匹のネコが列をなしている状況です。で、ネズミの真ん前にいる1匹目のネコが、ネズミを食べるかどうかを決める。やめたらそこで話は終了だけど、もし食べたら、1匹目のネコはお腹いっぱいで眠ってしまう。そうすると、2匹目のネコが、眠っている1匹目のネコを食べるかどうか決める。2匹目のネコについても、1匹目と同じで、やめたらおしまいだけど、もし食べたら、満腹になって眠ってしまう。で、3匹目のネコが…と、こういうルールが延々と続いていきます。

えーっと、ネコってそういう動物でしたっけ? というか、そもそもネコ100匹が1列に並んでいるって、「どんな状況やねん」とツッコミを入れたくなるところが秀逸です。

それはそれとして、この状況なら、ネズミは1匹目のネコに、「わたしを食べたら、あなたは2匹目のネコに食べられますよ。だから、わたしを食べるのはやめたほうがいいですよ。」って言いますよね。でも、1匹目のネコは、「2匹目のネコは、もし自分のことを食べて眠ったら、今度は3匹目のネコに食べられてしまうわけだから、自分を食べないのではないか。」と考えます。そうやって順々に見ていくと、どうなるかということです。

結論としては、ネコの数の合計が偶数か奇数かで、1匹目のネコがネズミを食べるべきかどうかが変わってきます

私は逆向きに考えますが、100匹目のネコは、99匹目のネコが眠ったら必ずそれを食べるので、99匹目のネコは98匹目のネコを食べることはできません。ということは、98匹目のネコにとって、99匹目のネコはいないも同然で、その意味で100匹目のネコと同じ立場です。じゃあ、97匹目のネコは99匹目のネコと同じ立場なので…と考えていくわけですね。

ネズミはこういう情報をもとに、1匹目のネコと交渉する必要があるということです。私が知っているのは別のモチーフですが、このように全体像を把握した上で交渉に臨むのって、すごく大事ですよね。ネズミにとっては、命がかかってるわけですし。

あ、書かないですけど、オチも面白いので、ぜひ読んでみてください。

この物語とは別の話ですが、「相手の考えていること」を読み取りたければ、「相手が「自分の考えていること」をどう読み取っているか」も考える必要があり、この本ではそういうテーマも取扱われています。普段から考えている人には当たり前のことかもしれませんが、そういう考え方は、日常生活における交渉や意思決定なんかにも活用できるように思います。

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個人的な話

この本を娘に薦めたのは、実は自分が大学生のときに、ゲーム理論をちゃんと勉強しようと思った時期があったからです。

この本の帯を書かれている神取先生の講義を受けて(たぶん)、「ああ、こんな分野もあるんだな」とすごく興味をひかれたのを覚えています。で、結構本格的に勉強しました。

結局、最後は数学の世界になって、現実との乖離が引っ掛かってやめたのですが、ゲーム理論の考え方のエッセンスを勉強できただけでも、だいぶ人生にプラスになったと思います。意思決定する前に「周囲を見回すこと」の重要性がよくわかったので。

絶対に真似できないポイント

この本の素晴らしいところは、その分野にすごく詳しい著者が、誰にでもわかりやすいように、かつ正確に伝えることをあきらめずに書かれているという点です。

正確性を犠牲にして、もっと簡単に書こうと思えば書けたはずです。でも、それを最小限にとどめていることから、「子供たちにちゃんと伝えたい」という明確な意図が読み取れました(私の勝手な推測ですが)。

ここまでのレベルの専門家の先生が、ここまでわかりやすく書くのは、相当な苦労をされたことと思います。ただ、その苦労に見合う成果を得られていることも含めて、いい本だなあと思います。

最後に

あ、そういえば、書籍の紹介のきっかけは、企業の方に「オススメの本を教えてください」と言われたことだった。

前回はちゃんと国際税務の本を紹介したのですが、つい平常モードに戻ってしまいました。

まあ、最後の手段として、「●●さん、ちょうど16歳くらいじゃなかったですか?」という言い訳も考えられますが、「まんざらでもない」というリアクションだったら対応に困るので、やっぱりやめておきます。

ということで、今日はオススメの2冊目でした。

では、では。

 

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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