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第8回 損益計算書と財務比率(ROEなど)の関係を考えてみる

今日のお話
今日は、損益計算書と財務比率の関係について、ごくごく簡単にお伝えします。財務比率には、企業の安全性を見るものや収益性を見るものがありますが、前者の例としては、インタレスト・カバレッジ・レシオがあり、後者の例としては、各種の売上高利益率のほか、ROAやROEといった指標があります。

「そこそこわかりやすい財務諸表」シリーズの損益計算書編、第8回です。

今回は財務比率との関係です

財務比率には様々なものがありますが、ここまで、収益性と安全性を示す指標はいくつか見てきました。

今回は、損益計算書と財務比率の関係について考えます。

安全性を示す指標

安全性を示す財務比率については、貸借対照表編で、自己資本比率負債比率を確認しました。あと、インタレスト・カバレッジ・レシオというのもありました。

「インタレスト・カバレッジ・レシオ」の算式は以下のとおりです。

 

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収益性を示す指標の全体像

収益性を示す財務比率は色々あるのですが、「フロー数値」対「フロー数値」で計算されるものとしては、「売上高」対「利益」が典型で、「売上高総利益率」や「売上高営業利益率」はチェックしましたよね。 

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今回は同じく収益性を示す財務比率なのですが、今度は「ストック数値」対「フロー数値」で収益性を示すタイプのものを見てみたいと思います。

「ストック数値」対「フロー数値」(資本利益率)

収益性を示す財務比率のうち、「ストック数値」対「フロー数値」で計算されるものとしては、「資本」対「利益」が典型です。

端的には投下資本とそれに対応する利益の関係を示す資本利益率ですが、例えば、以下のROAやROEといった財務比率はよく使われます。

ROAとは

ROA(Return On Asset)は総資本利益率を意味し、以下の算式で計算され、事業全体の収益性を示します。

分母の「総資本」は、負債と純資産の合計で、金額としては総資産に一致します。

分子には「事業利益」(=営業利益+受取利息・配当金)を用いる場合と「経常利益」を用いる場合があります。分母子の対応を厳密に考えるのであれば、事業利益のほうが理論的ですが、経常利益のほうが計算が容易という利点があります。

ROEとは

一方、ROE(Return On Equity)は自己資本利益率を意味し、以下の算式で計算され、株主にとっての収益性を示します。

分母の「自己資本」は、基本的に純資産と考えていいと思います。分子の「当期純利益」はいいですね。

ROEは多くの投資家が注目する重要な指標ですが、ROEの分子は当期純利益であるため、税金費用の水準もROEに影響します。いずれにせよ、すべての損益影響は当期純利益に集約されるため、ROEの増減要因は基本的に全ての企業活動と外部環境の変化という言い方もできます。

ROEの水準は業種によって異なるので、同業他社と見比べるのがベストです。ただ、個人的には日本企業のROEの水準を見るときには、8~10%程度を1つの基準として考えています。有名な「伊藤レポート」では最低限8%と言われていますが、実際にはROEの水準に目安のようなものはないので、あくまでも個人的に「これくらいかなあ」というレベルのものです。

そして、ROEを向上させるためには、「フロー数値」対「フロー数値」でみる利益率(例えば、売上高当期純利益率)の向上だけでは不十分で、資産の有効活用も必要になります。例えば、余剰資金で自社株買いをすれば、仮に売上高当期純利益率が同じであっても、分母が小さくなってROEは向上します。

そのため、ROEは、フローで見た収益性のほか、資産効率、さらにいうと財務レバレッジも加味した総合的な指標と整理でき、それがROEの人気の秘訣だと思います。

ROICとは

上記の他、以下の算式で計算される投下資本利益率(ROIC:Return On Invested Capital)もよく見かける資本利益率の1つです。

今日はここまでです。次回は、損益計算書に関する記事をまとめて、おしまいにしたいと思います。

では、では。

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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