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佐和周のブログ

雑感

オススメの書籍紹介:『条文の読み方』 

このブログでは、不定期でオススメの本をご紹介しています。

今回は『条文の読み方』です

今回は、『条文の読み方(第2版)』(法制執務・法令用語研究会 著)という本です。

 

この本、2012年に初版が出たのですが、当時の自分にとって、救世主のような存在でした。

まさに必要な情報が、とにかくわかりやすく書いてある、ということで衝撃を受けた本です。

今年の3月に第2版が出たので、今日はこの本のご紹介です。

この本のいいところ

この本のいいところは、まずはカバーのデザインです。「条文の読み方」という、普通の人間なら遠ざけてしまう(関わり合いになりたくない)テーマについて、やたらポップな装丁にしてあります。

これが勝因ですね。私も最初はカバーのデザインにつられて買いました。

でも、本当にいいのは中身です。

具体的な内容については、後ほど書きます。

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税務をやる会計士の人にオススメ

この本が万人向けかは判断しかねますが、間違いなく特定の層には「刺さる」本です。

例えば、私は監査法人から税理士法人に移って、そこで初めて税法をちゃんと読むようになったのですが、この本はまさにそういう人にオススメです。

より一般化するなら、「大学で法学部じゃなかったけど、税法を読まないといけない人」向けだと思います(他の法律を読む人にもいい本だと思いますが、私は専門家じゃないので、それ以上はわかりません)。

前提として、税務の仕事をするときには、絶対に税法の条文を読む必要があります。そうじゃないと、事故を起こすので。

もちろん、監査法人で会計士の仕事をしているときも、会計基準等々は読んだのですが、これは別に難しくなかったです(当時は収益認識会計基準もなかった)。

一方、税理士法人で税理士の仕事をしているときは、税法の条文がちゃんと読めず、ずっと苦労していました。

なぜかというと、単純に素養がないんですよね。

大学で法学部なら、ちょっとはマシだと思うのですが、私みたいに経済学部からそのまま会計士になると、あんまり法律というものに触れることがないので。たまに会計士でも法に触れることをして、ニュースになる人がいますが、それはまた別の意味の「法に触れる」ですし。

話を戻すと、この本はそういう「素養のなさ」をかなり補ってくれます

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どんなことが書いてあるか

じゃあ、次に具体的な内容ということで、この本にどういうことが書いてあるかです。

色々とありますが、私が最も勉強になったのは、「使い分け」です。

使い分けの例(「及び」・「並びに」/「又は」・「若しくは」)

典型的なものとして、「及び」・「並びに」の使い分けと、「又は」・「若しくは」の使い分けがあります。

2階層なら簡単

「及び」は”AND”の意味ですが、それが2層に階層化されると、上の階層に「並びに」が登場します。

A1、A2、Bを並べるなら、「A1及びA2並びにB」です。

同じく、「又は」は”OR”の意味ですが、それが2層に階層化されると、下の階層に「若しくは」が登場します。

A1、A2、Bを並べるなら、「A1若しくはA2又はB」です。

このあたりは何となくいいのではないでしょうか。

3階層になったら?

でも、3層以上になった場合はどうでしょう? 例えば、A1がA1-1とA1-2に分かれている場合です。

3層以上に階層化された場合、”AND”のほうは、最下層の接続のみが「及び」、それより上の階層はすべて「並びに」になります。

書かないほうがいい気がしますが、「A1-1及びA1-2並びに A2並びにB」です。

逆に、”OR”のほうは、最上層の接続のみが「又は」、それより下の階層はすべて「若しくは」です。

「A1-1若しくはA1-2若しくは A2又はB」です。

こういうの、知っておかないと並列関係が把握できず、ちゃんと条文が読めないことがあるんですよね。

ちなみに、私は端折って書いてますが、この本の解説はもっとわかりやすいです。

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この本は税理士法人の先輩みたいなもの

私がこの本を買ったのは、初版が出てすぐのときですが、そのとき私は税理士法人をいったん退職して、非常勤に切り替えてもらって働いていました。

そのとき思ったのは、「税理士法人に移ってすぐ、この本に出会えていたらなあ」ということです。

というのも、私は全然条文が読めなかったので、その都度、税理士法人の先輩方に色々と教えてもらいました。

例えば、上記の「及び」・「並びに」(+「又は」・「若しくは」)の使い分けもそうですし、「推定する」・「みなす」の使い分けなど、絶対に知っておかないといけないもの、あとは括弧( )を飛ばしながら読む方法とか。

そういう問題は、この本を読めばだいたい解決します。

この本がいい本だとも言えますし、私が税理士法人で出会った先輩がいい先輩だとも言えます(ありがとうございました)。

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勉強になることが多い

その他、個人的に勉強になったのが、以下の使い分けです。営業妨害になるので、詳細な内容までは書きません。

●「場合」・「とき」・「時」
…税理士の人が「時」を「じ」と読む理由もこれでわかると思います。
●「以前」・「前」・「以後」・「後」・「以降」
…これは「含むか、含まないか」問題で、常識で判断すればOKですが、税務をやるなら、念のため確認しておいたほうがいいです。
●「直ちに」・「速やかに」・「遅滞なく」
…これはどの程度税務に役立つかわかりませんが、ニュアンスの違いに「へぇー」ってなりました。ちなみに、一番時間的即時性が強いのは「直ちに」だそうです。
●「科する」・「課する」
…これは、いまだに本を書いているときに編集の方に直されます(笑)
●「この限りでない」「妨げない」
…これもめっちゃ勉強になりました。特に「この限りでない」はよく見かけると思いますが、「その前を消極的に否定するだけで、それ以上の積極的な意味はない」とか、税法の勉強する前に知っておきたかったなと思います。

やべえ、妙に力が入って長くなってしまった。

というくらい、いい本す。

今日はここまでです。

では、では。

 

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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