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オススメの書籍紹介:『事例でわかる国際源泉課税』

このブログでは、不定期でオススメの本をご紹介しています。

今回は『事例でわかる国際源泉課税』です

今回は『事例でわかる国際源泉課税(第3版)』という本です。

 

牧野好孝先生の本ですね。

源泉所得税は難しい

国際税務の分野の中でも、源泉所得税は難しいほうだと思います。特に慣れるまでの間は。

やっぱり会計や法人税の思考とは違うことも多いので。

例えば、以下の記事では、使用料・人的役務提供事業の対価・給与等について、源泉徴収漏れが生じやすいパターンを挙げました。

源泉所得税の税務調査:問題になる非居住者等への支払い3パターン

この記事をご覧になって、「こんなの、当然じゃん」と思われる方は、普通に実務をやって頂ければいいと思います。

でも、そうじゃない方も多いのではないでしょうか。

間違うとやばい

なので、源泉所得税の判断はよく誤ります。要は源泉徴収漏れです。

セミナーをやっていても、ご質問を受けて、「それは源泉徴収が必要ですね」とお答えすると、「え?」となったり、「それは租税条約に関する届出書の提出が必要ですね」とお答えすると、「え?」となったり、そういうことはよくあります。

そして、国際取引の源泉所得税は、間違うと結構やばいです(いい意味の「やばい」ではない)。

源泉徴収漏れが後日発覚すると、相手方(非居住者や外国法人)から源泉所得税見合いを取り返す必要があります。でも、相手方は海外にいるので、交渉は大変です。結果、相手方との関係を考えて、あきらめたりもします(契約書でちゃんと税金条項を入れてないときとか)。

そこで、この本です!

そこで、『事例でわかる国際源泉課税(第3版)』です。

国際取引の源泉所得税については、最初にある程度、理論的な部分を理解しておかなければならないのですが、この本は、そのあたりがわかりやすいんですよね。

「Ⅲ 源泉徴収に関する基礎知識」「Ⅳ 所得に関する租税条約に係る基礎知識」という章で、平易に解説してくれています。

そして、「事例でわかる」というタイトルにもあるように、「Ⅴ 事例検討」という章には、事例がいっぱい書いてあります(事例数=75)。

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この本のいいところ

国際取引の消費税も同じなのですが、仮に理論が十分に理解できていたとしても、それを実践に移すのがなかなか難しいんですよね。なので、源泉所得税をマスターするには、以下のアプローチがいいと思います。

(1) まず、理論をしっかりと、でも、さっぱりと押さえる
(2) 事例を読んで、理論を実務に適用する方法を学ぶ

この本が素晴らしいのは、この流れがスムーズなところだと思います。

他にも源泉所得税の本はあるのですが、実務に寄り添って書かれた本という意味で、これがベストだと思います。

私の中では、消費税の上杉先生と並んで、源泉所得税といえば牧野先生なので、他の選択肢はないです。

具体的な事例

「Ⅴ 事例検討」の75の事例には、絶対に知っておくべき事例が多く含まれています。

例えば、「租税条約に関する届出書の記載内容に変更が生じた場合の処置」なんかは典型だと思います。

同じく、インド企業と取引があれば、「インド企業に支払う技術的役務に関する対価と源泉徴収」なんかも必須です。

私も、「これってどうなのかな?」と疑問に思ったときは、まずはこの本を見ることが多いです。それ以外でも、担当の方があまり慣れておられない場合、この本の解説の仕方を参考にさせてもらうこともあります。

絶対に真似できないポイント

このシリーズでは、自分が本を書くときに真似できないポイントを挙げていますが、この本の場合、「今まで穏やかに解説を続けていたのに、なぜか急に突き抜ける」場面があることでしょうか。

例えば、日本に赴任してきた外国人社員に関する事例がわかりやすく解説されている中、急に「一夫多妻制の制度を持つ国の居住者から日本の居住者となった者に対する配偶者控除の適用法」という事例がぶっこんであります。

「え? 一夫多妻制?」と深く考える間もなく、その次の事例では「外国人社員の日本での社会保険料の個人負担分の会社負担」ということで、また何事もなかったかのように、もとのテンションに戻っていきます。

この落差というか、独特のリズムが、私には真似できないポイントです。いや、別に真似したくもないんですけど。

 

ちなみに、以下の記事に、国際税務に関するオススメの本をまとめています。

 

ということで、今日はここまでです。

では、では。

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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