オススメの書籍紹介:『国税調査の舞台裏』
このブログでは、不定期でオススメの本をご紹介しています。
Table of Contents
今回は『国税調査の舞台裏』です
今回は、『国税調査の舞台裏』(小倉 敏郎さん 著)という本です。
著者は、芦屋税務署長などを務められた国税OBの先生です。
特定層にオススメです
これは、特定の層にオススメの本です。
具体的には、私のように、もともと公認会計士で、税理士登録して税務業務をやっている人たちにピッタリの本だと思います。
この本の内容を一言でいうと、「税務調査の打ち上げで、国税OBの先生と同席させて頂いたときに、雑談で色々と教えてもらえる内容」という感じです。
なので、怪しい節税本とかではなく、ちゃんとしてます。
言い換えると、OBの先生が、まだ素面(しらふ)の状態のときにお話される内容という感じでしょうか。
やっぱり、こういう事情は、ずっと税理士をされている方のほうがよくご存知な気がします。
コラムが異様に多い
この本、ちゃんとした内容も書かれているのですが、コラムが異様に多いです。
まあ、読み手はそういう話を期待しますもんね。しかも、それが結構面白い(笑)
私がこの本を読んだのも、コラム(群)に惹かれたからです。
例えば、「レギュラーさんは頼りになります!」というコラムがあって、この話は昔聞いたことがあるものでした(まさに国税OBの先生との会食で)。
あと、「小学校の職員室に入った後輩」とか、タイトルだけで絶対気になるし。
そして、「ゼネコンの裏金の作り方」とか、タイムリーなものまで(笑)
調査官のノルマなどの都市伝説
あとは、「11. その他(都市伝説等)」という章も、結構興味を惹かれました。
「調査の仕事をがんばったら給料は上がるの?」とか、「ノルマってあるの?」とか、「「お土産」って要るの?」とか、そういう話が書いてあります。
ノルマについては、「ない」という建前よりも、もう少し深く書いてあります。
もちろん、ちゃんとした本なので、ちゃんとした内容が書いてありますが、ちょっと「含み」が感じられ、そういった言外のコメントを読み取るのも面白そうです。
当局の内情に興味がある方にもオススメ
それ以外の箇所でも、税務大学校の話とか、国税庁から関係省庁への出向(逆の受入れ)の話とか、へぇーと思うものも多かったです。
まあ、普通に面白い本ですし、なんというか、全般的に昭和の香りがして、ちょっとノスタルジックになれます。
なので、そういう(どういう?)当局の雰囲気や内情に興味がある方にもオススメです。
今日はここまでです。
では、では。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。