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佐和周のブログ

移転価格税制

第14回 特定無形資産国外関連取引に係る価格調整措置をわかりやすく

引き続き「無形資産の譲渡取引とDCF法」シリーズです。

ちょっと英語の話を挟みましたが、前々回は、「特定無形資産とは」、「特定無形資産国外関連取引とは」といった点を確認しました。

 

1. 特定無形資産とは

特定無形資産とは、「ユニークかつ高付加価値で、不確実な要素があって評価が難しいけど、DCF法で独立企業間価格を算定するもので、特定無形資産国外関連取引とは、文字どおり、特定無形資産に係る国外関連取引でしたね。

今回は、「特定無形資産国外関連取引に係る価格調整措置」の内容を見ていきます。

2. 特定無形資産国外関連取引に係る価格調整措置のざっくりした内容

「特定無形資産国外関連取引に係る価格調整措置」は、その名前の長さのインパクトに負けないくらい、なかなか複雑な措置なので、今回はその位置づけをはっきりさせることを目的とします。なので、まだ詳細には入りません。

まず、この価格調整措置がどういう場合に発動するかという点ですが、基本的には、法人が行った特定無形資産国外関連取引に関して、その対価の額を算定するための「前提となった事項」について、その内容と相違する事実が判明した場合です。

重要なポイントとして、この前提となった事項は、当該特定無形資産国外関連取引を行った時に当該法人が予測したものに限るものとされています。

そして、この価格調整措置が発動した場合、税務当局は「その相違する事実及びその相違することとなった事由(「相違事由」)の発生の可能性を勘案して算出した金額」を独立企業間価格とみなして、法人の所得の金額につき更正(または決定)することができることとされています。

用語がややこしいのですが、端的には、税務当局が「後出しじゃんけん」的に所得を計算し直せるということです。

ちょっとややこしいでしょうか。ちょっと遠回りにはなりますが、別の言い方で説明してみます。

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3. 特定無形資産国外関連取引に係る価格調整措置の内容を別の角度から

まず、いま問題になっている特定無形資産というのは、評価困難な無形資産です。

で、その特定無形資産の譲渡(または貸付)取引が発生し、DCF法で独立企業間価格を算定します。

DCF法なので、独立企業間価格は、一定の予測に基づいて算定されています。

ただ、振り返って見ると、事後の結果は、DCF法の算定に用いた事前の予測とは異なるものだったとします。つまり、事前の予測と事後の結果に相違が発生してしまったということです。

この場合、それが予見不能な事象等によるものではなければ、その相違は「当初の移転価格が適切に算定されていなかった」という推定証拠になります。

このような状況で、税務当局が「事後の結果及び取引時に日本企業が知り得た(または知るべきであった)関連情報等」を勘案して、当初の移転価格を評価する、というのが特定無形資産国外関連取引に係る価格調整措置の位置付けです。

まだまだ話が続くのですが、今日はいったんここで切ります。で、次回、もうちょっと内容に深く入っていきたいと思います。

では、では。

■移転価格税制に関するトピックの一覧はこちら

 

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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