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移転価格税制

第10回 ローカルファイルの記載事項:DCF法を用いた場合の計算

引き続き「無形資産の譲渡取引とDCF法」シリーズです。

最近、あまり移転価格文書に触れてなかったので、今回は移転価格文書について書きます。ローカルファイルにおいて「DCF法を用いた場合の計算」をどう書くか、というテーマです。

 

1. ローカルファイルに含まれる書類

まず、ローカルファイルには、「法人がディスカウント・キャッシュ・フロー法等を選定した場合におけるこれらの方法により当該国外関連取引を行った時の現在価値として割り引いた金額の合計額を算出するための書類」が含まれます。

これは、法人が独立企業間価格の算定方法として、ディスカウント・キャッシュ・フロー法(準ずる方法・同等の方法・準ずる方法と同等の方法を含む)を選定した場合に、国外関連取引を行った時の現在価値として割り引いた金額の合計額の計算の過程を説明するものです。

まんまですね。

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2. ローカルファイルの記載事項(必要な情報)

DCF法を用いた場合の計算に関して、例示集(国税庁 「独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(ローカルファイル)作成に当たっての例示集」)では、必要な情報の例として、以下が挙げられています。

(1) 各事業年度の予測利益の金額の計算過程
(2) 用いられた割引率の合理性及び計算過程
(3) 予測期間の合理性及び計算過程

各事業年度の予測利益の金額の計算過程

これといった記載事項はないのですが、(1)各事業年度の予測利益の金額の計算過程については、例示集にいくつか注意点が挙げられているので、それだけご紹介します。

まず、最終価値(ターミナル・バリューのことです)を考慮して予測利益の金額を計算している場合には、以下について記載する必要があります。

・最終価値を考慮する必要性
・考慮された最終価値の合理性
・最終価値の計算過程

また、予測利益の金額の計算に用いた成長率、考慮された法人税等の合理性及び計算過程についても記載が求められています。

さらにいうと、国外関連取引の当事者の基本的な利益をTNMM(取引単位営業利益法)の考え方に準じて算定している場合には、比較対象取引の選定に関する記載も必要になります(以下の記事をご参照ください)。

DCF法における「予測利益」の見積方法

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3. 例示集の改訂(2020年6月)による追加

ちなみに、以下の記事で触れましたが、これらの記載事項は2020年6月の例示集の改訂によって追加されたものです。

 

今日はここまでです。

では、では。

■移転価格税制に関するトピックの一覧はこちら

 

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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