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移転価格税制の基礎

国税庁:「独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(ローカルファイル)作成に当たっての例示集」の改訂

2020年3月期の決算・申告対応が(ほぼ)終わって、少しだけ余裕ができたので、珍しく最新の情報です。

例示集が改訂されました

このブログでもたまに登場している「独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(ローカルファイル)作成に当たっての例示集」(国税庁)ですが、2020年6月24日に改訂されています(リンクは以下)。

独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(ローカルファイル)作成に当たっての例示集

変更があったのは「独立企業間価格を算定するための書類」のほう

ざっとしか見てませんが、「国外関連取引の内容を記載した書類」のほうは変更がなく、「国外関連取引に係る独立企業間価格を算定するための書類」のほうにいくつか追加・改訂があります。

(1) 書類の追加

具体的には、以下の2つの書類が追加されています。

  • 2号ニ(ディスカウント・キャッシュ・フロー法を用いた場合の計算)
  • 2号ホ(法人が用いた予測の内容等)
  • これは2019年度税制改正で導入されたディスカウント・キャッシュ・フロー法(DCF法)に関係する書類です。

    移転価格税制におけるDCF法をシンプルにいうと、「無形資産の使用等による予測利益の金額を一定の割引率を用いて現在価値として割り引いた金額の合計額を独立企業間価格とする方法」ということになります。

    2号ニ(ディスカウント・キャッシュ・フロー法を用いた場合の計算)

    2号ニのほうは、単純にDCF法の計算過程を書くものだと思います。

    具体的な内容は以下のとおりで、どれもDCFの計算における主要な仮定です。

    ・各事業年度の予測利益の金額の計算過程
    ・用いられた割引率の合理性及び計算過程
    ・予測期間の合理性及び計算過程

    普通にDCF法を適用していれば、書くのに困る内容はなさそうです。

    2号ホ(法人が用いた予測の内容等)

    一方、2号ホのほうは、法人が独立企業間価格の算定に当たって予測を用いた場合に、その予測の内容や予測の方法等を説明する書類です。

    これも主にDCF法に関するものといえると思いますが、過去の収益実績等を予測の基礎としている場合に、「収益実績等の内容及び当該収益実績等を基礎とした理由」なんかも書かないといけないことが明記されているので、関係者の方は軽く目を通されてもいいかもしれませんね。

    (2) 書類の改訂-2号ト(差異の調整)

    あと、細かなところでは、以下の書類もちょっとだけ改訂されています。

  • 2号ト(差異の調整)
  • これも2019年度税制改正の内容を反映したものと思われ、具体的には【必要な情報の例】のところに、「統計的手法を用いた場合には、統計的手法を用いることが可能であると判断する理由及びその計算過程」を示すべきことが追加されています。

    これは、2019年度税制改正において行われた、差異調整に関する規定の整備に関する内容です。

    もうちょっと言うと、通常の差異調整を行っても、なお「定量的に把握することが困難な差異」が存在する場合のお話です。

    この場合、調整後の利益率等(「調整済割合」)に対する「定量的に把握することが困難な差異」の影響が「軽微」である前提で、四分位法に基づく調整済割合の中央値による調整を行うことができることとされています。

    ただ、「軽微」であるかどうかを判断するに当たっては、個々の事案の状況に応じて判断する必要があるので、そういう内容を書くってことですね。

    この点はまたゆっくりご説明したいと思います。

    では、では。

    ■移転価格税制に関するトピックの一覧はこちら

     

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