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デジタル課税等:OECD 「第2の柱」 最低税率15%で合意

珍しくニュースについて書きます。

OECDが昨日(2021年10月8日)、法人所得税の最低税率を15%とすることで最終合意したというお話です。

第2の柱(Pillar Two)

この15%というのは、Two-Pillar Solutionのうち、第2の柱(Pillar Two)のほうに関係します。

第2の柱は、さっぱり言うと、軽課税国への利益移転に対し、国際的に合意された最低税率の導入を通じて、各国の法人課税を確保するためのルールです。

第2の柱には、GloBEルール (Global Anti-Base Erosion rules) というのがあり、さっぱり言うと、所得合算ルール(IIR:Income Inclusion Rule)や軽課税支払ルール(UTPR:Undertaxed Payment Rule)を通じて、多国籍企業グループには最低限の税負担をさせるという仕組みになります。

7月のG20の合意の段階では、こういった所得合算ルールや軽課税支払ルールを適用するの際の最低税率は15%「以上」(at least 15%)とされていました。

なので、最終的に何%になるのかなと思っていたのですが、これが15%に落ち着いたということですね。

アイルランドとハンガリー

OECDのNewsroomを見ると、OECD/G20 Inclusive Framework on BEPS、いわゆるIF(包摂的枠組み)に参加している140の国や地域のうち、136の国や地域が合意した、とあります。

140か国のうち、合意に参加していない4か国は、ケニア・ナイジェリア・パキスタン・スリランカのようなので、すべてのOECD加盟国とG20構成国が合意したことになります。

アイルランドやハンガリーが新たに合意した点が大きいですね(あとはエストニアもか)。

そういえば、BBCとか見てると、アイルランドは大企業(firms with a turnover of more than €750m)については、法人所得税率を15%まで上げるみたいです(それ以外は12.5%のまま)。

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第1の柱よりも第2の柱

第2の柱の適用対象は、前年度における連結総収入金額が7億5,000万ユーロ以上の多国籍企業グループです。

この金額基準は、基本的にBEPS行動計画13と同様(日本においては、直前の最終親会計年度における総収入金額が1,000億円以上が基準)ですね。

第1の柱(Pillar One)のほうが騒がれますが、その適用対象は、グローバルの売上高(global turnover)が200億ユーロ超で、かつ、税引前利益率(profit before tax/revenue)10%超の多国籍企業です。

200億ユーロは、日本円換算で約2.6兆円なので、多くの日本企業にとっては、第1の柱はあんまり関係なくて、第2の柱のほうが重要なんでしょうね。

個人的な関心

今後の流れとしては、13日のG20財務大臣・中央銀行総裁会議(@ワシントンD.C.)があって、30・31日にG20首脳会合(@ローマ)という予定です。

個人的な関心は、月刊『国際税務』さんで連載している「新任社員のための国際税務の仕組みとポイント」に間に合うかどうかです。今月上げる予定の原稿が、デジタル課税等に関することなので、できるだけ織り込みたいな思っています。

今回はここまでです。

では、では。

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