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佐和周のブログ

移転価格税制の基礎

第19回 残余利益分割法「に準ずる方法」とは

引き続き残余利益分割法のお話です。

 

前回のケース

前回は「残余利益分割法を使うケース」ということで、日本親会社が研究開発活動を行い、海外子会社が広告宣伝・販売促進活動を行って、それぞれが独自の価値ある寄与をしているケースを確認しました。

しかしながら、独立企業間価格の算定方法の選定としては、残余利益分割法そのものではなく、残余利益分割法「に準ずる方法」が最も適切な方法だと書きました。

残余利益分割法「に準ずる方法」

「準ずる方法」自体については、過去にも触れましたが、利益分割法は、そもそも国外関連取引に係る棚卸資産の取得及び販売により法人及び国外関連者に生じた所得の合計額を配分の対象として独立企業間価格を算定する方法です。

したがって、前回のケースのように、棚卸資産の販売取引にそれ以外の取引を加え、これらを一の取引として独立企業間価格の算定を行う場合において、残余利益分割法と同様の考え方で利益分割法を用いる方法は、残余利益分割法「に準ずる方法」に該当します。

結論としては、残余利益分割法自体かそれに準ずる方法かは、そんなに気にしなくてもいいものってことですね。

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残余利益分割法に準ずる方法の例

ちなみに、前回のケース以外で、残余利益分割法に準ずる方法として、参考事例集には以下の例示があります。

・基本的取引が複数ある場合に、当該基本的取引に係る利益指標の平均値等に基づき計算した基本的利益に相当する金額を用いて、残余利益分割法と同様の考え方で利益分割法を用いる方法

・国外関連取引に係る棚卸資産の買手が当該棚卸資産を他者に賃貸している場合に、当該買手の当該棚卸資産の賃貸に係る所得と、当該棚卸資産の売手の当該棚卸資産の販売に係る所得との合計額を配分の対象とし、残余利益分割法と同様の考え方で利益分割法を用いる方法

・国外関連取引に係る棚卸資産の買手が当該棚卸資産を関連者に販売した場合に、当該関連者を検証対象とする取引単位営業利益法に準ずる方法を用いて算定した当該買手の当該棚卸資産の販売に係る所得と、当該棚卸資産の売手の当該棚卸資産の販売に係る所得との合計額を配分の対象とし、残余利益分割法と同様の考え方で利益分割法を用いる方法

今日ここまでです。次回は、残余利益分割法において、分割対象利益等を算出するケースを見てみます。

では、では。

■移転価格税制に関するトピックの一覧はこちら

 

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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