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新しい本:『一通りコーポレート・ファイナンス』と感情の強要

昨日に引き続き、新著について。

 

新しい本

今月(9月)下旬に、『50テーマ&100キーワードでわかる 一通りコーポレート・ファイナンス』という本が出ます。

この本で、1つ、著者である私自身が注目しているポイントがあるので、今日はそれをご紹介したいと思います。

執筆の際に気を付けたこと(「はじめに」より)

前提として、少し長いですが、以下をご覧ください。

この本の「はじめに」からの抜粋です。

 少し経緯をお話しすると、ここ何年か、「ROEは8%を上回っていなければならない」や「PBRが1倍割れということは解散価値を下回っている」など、正直よくわからない議論があります。著者は、そういう議論は適当に流していたのですが、編集者の方から「しっくりきていない人が多いのでは?」と企画のご提案があり、「まあ、確かに」と納得しました。そのときは「最近仕事でもよく議論するから頭の中も整理されているし、以前に作った資料もあるし、すぐに書けるだろう」と安請け合いしてしまったのですが、いざ書こうとすると、「ちょうどいいレベル」というのもなかなか難しいものだなと気付かされました。
 それはそれとして、本書の執筆の際に気を付けたことは3つあります。
 1つ目として、何よりも「スッキリさせること」を重視しました。構成は「資金調達→投資→株主還元」という流れに沿う形にしながら、投資と株主還元の選択を「キャピタル・アロケーションの問題」として整理したり、資本収益性を示す指標(ROE)や企業価値に関連する株価指標(PBR)との関係を整理したり、色々な工夫をしています。
 2つ目として、できるだけ幅広いテーマを取り扱いながらも、1テーマ読み切りの形式を採用することで、1つの話を膨らませ過ぎないように注意しました。全体のストーリーをあえて「ぶつ切り」にすることで、気になるテーマだけを読んで頂けるようにしています。
 3つ目として、よくわからないことは、「よくわからない」と断言しました。数式が多いので騙されがちですが、実務上のコーポレート・ファイナンスに関する議論は、「みんながそう言ってるから、まあいいか」みたいな適当なノリがあるのも事実なので。
気を付けた上記3つのポイントとは逆に、本来もっと気を付けるべきだったのは、「この企画を引き受けた際の軽率な判断」ということで間違いありません(笑)

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注目ポイント

このうち、最後の「(笑)」の部分(下線部)は、私の原稿にはなかったのですが、再校ゲラに反映されていたものです。つまり、校正の際に編集者の方が追加してくださったものということになります。

問題は、これを書いたときの私の感情です。事実としては、「(笑)」の要素はゼロで、完全な真顔だったので、これがいわゆる「感情の強要」というものかと思います。

ちなみに、再校ゲラは「(笑)を付けるかどうかはお任せします」とコメントを付けてお返ししました。そして、最後どうなったのかは確認していません。

つまり、見本が届く段階まで、(笑)が付いているのかどうか、私にもわからないということです。

もし「(笑)」があったら、引きつった笑顔を想像しながら読んでいただければと思います。もし「(笑)」が消えていたら、真顔でこれを書いた私の心情(というか心の闇)を想像しながら読んでいただければと思います(どうでもいい)。

よーし、言ってやったぞ。

まあ、最終的な校正で、「www」とか「草」とかに変えてあったら、それはそれで永久保存版なわけですが。

やはり疲れているようです。

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

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