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インボイス制度:課税売上高1億円以下の事業者の事務負担軽減措置(令和5年度税制改正見込み)

週末ですが、この時期特有の税制改正のお話です。

令和5年度税制改正において、消費税のインボイス制度の関係では、電子帳簿保存法などとともに、「納税環境整備」の一環としての改正が入りそうです。

 

1. 主要な改正見込項目(3つ)

項目としては3つあり、今回はその2つ目です。

インボイス制度:課税売上高1,000万円以下の事業者の負担軽減措置(令和5年度税制改正見込み)
インボイス制度:課税売上高1億円以下の事業者の事務負担軽減措置(令和5年度税制改正見込み)
インボイス制度:1万円未満の適格返還請求書の交付義務の見直し(令和5年度税制改正見込み)

2. 中小事業者等に対する事務負担の軽減措置

中小事業者等については、事務負担の軽減措置として、以下の措置が講じられるようです。

対象:基準期間の課税売上高が1億円以下である事業者(注)
内容:1万円未満の少額取引(課税仕入れ)については、インボイスの保存がなくても(帳簿の保存のみで)仕入税額控除を可能とする
期間:制度開始から6年間

(注)基準期間の課税売上高が1億円超の場合でも、前事業年度(前年)開始の日以後6か月間の課税売上高が5,000万円以下であれば、この措置の対象になるようです。

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3. 気になるポイント

この措置については、特に気になるポイントはないのですが、統計上、この措置の対象になる事業者(中小事業者等)は結構多いようです。

また、「なぜ3万円未満じゃなくて、1万円未満?」と思っていたのですが、実際には対象事業者では、1万円未満の課税仕入れが割合としては結構多いのだそうです。

そういう意味では、ある程度実効性のある事務負担の軽減措置なのかもしれませんね。

この項目はとりあえずここまでです。

【2022年12月追記】
この内容は、令和5年度与党税制改正大綱に反映されています(以下の記事です)。

 

では、では。

■インボイス制度に関する記事の一覧はこちら

 

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この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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