GloBEルールの適用対象を簡単に(第2の柱)
今は新しい国際課税の枠組みに関して、GloBEルールのことを書いています。
Table of Contents
1. GloBEルール
GloBEルールは、多国籍企業に対する最低限の税負担を確保するために導入される国内法上の措置です。最低税率(15%)を導入する「Pillar Two(第2の柱)」の構成要素の1つですね。
今日は、このGloBEルールの適用対象について。
2. GloBEルールの適用対象
GloBEルールの適用対象は、以下のとおりです(訳すのめんどくさい)。
さっぱり言うと、連結総収入金額が7億5,000万ユーロ以上の多国籍企業グループ(MNE Group)に属する「構成事業体」(Constituent Entities)です。
ユーロ・ベースの金額基準としては、移転価格の文書化(国別報告事項や事業概況報告事項)と同じイメージだと思います。なので、最終的には「連結総収入金額 1,000 億円以上」みたいな感じで、国内法で決まるんでしょうか。
ただし、正確には「過去4事業年度のうち2事業年度で連結総収入金額が7億5,000万ユーロ以上」なので、こっちのほうがもうちょっと細かいですけど。
いずれにせよ、期首時点では、すでにその年度にGloBEルールが適用されるかどうかを判定できる状況だということですね。
3. 構成事業体とは
それと、構成事業体(Constituent Entities)というのは、(その資産、負債、収益、費用及びキャッシュ・フローが)グループの最終親会社の「連結財務諸表に含まれている事業体」及び「規模、重要性または売却目的であるという理由のみで連結財務諸表から除外されている事業体」をいいます。
また、構成事業体は、恒久的施設(PE)を含む概念です。
なので、基本的には最終親会社(Ultimate Parent Entity)の連結財務諸表における連結総収入金額に基づいて判断するということですが、実際には非連子なんかも見ないといけないってことですね。
まあ、この判定自体はそんなに大変な作業じゃないはず。
ただ、GloBEルールが適用されるかどうかの分かれ道なので、GloBEルールの過酷さ(イメージ)を考えると、ギリギリの企業(グループ)なんかは、結構ドキドキしながら判定することになりそう(笑)←他人事
今日はここまでです。
では、では。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。