電子帳簿保存法:タイムスタンプの国による認定制度の創設へ(令和4年度与党税制改正大綱)
少しの間、空き時間に令和4年度税制改正見込みのことを書いています。
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令和4年度与党税制改正大綱
今日(2021年12月10日)、令和4年度与党税制改正大綱が公表されました(こちら)。
改正見込み事項のうち、仕事でチェックが必要な項目だけ、当日のうちに調べずに適当に書こうと思います。
タイムスタンプの国による認定制度の創設に伴うスキャナ保存制度等の整備
今回は、タイムスタンプの国による認定制度の創設の部分です。
項目としては、「六 納税環境整備」→「5 その他(国税)」→「(7)タイムスタンプの国による認定制度の創設に伴うスキャナ保存制度等の整備」です。
タイムスタンプとは
スキャナ保存制度や電子取引の制度には、タイムスタンプ要件というものがあります(必須ではないですけど)。
タイムスタンプ要件について、前提となる知識が必要な方は、以下のリンクをどうぞ。
ちなみに、タイムスタンプ自体は、「その時刻以降にその電子文書が改竄されていないことを証明するもの」という理解でいいと思います(もうちょっと詳しくはこちら)。
国による認定制度の創設
大綱によると、このタイムスタンプについて、国による認定制度が創設されるようです。
具体的には、タイムスタンプの付与期間内に、「総務大臣が認定する時刻認証業務に係るタイムスタンプ」(現行は、「一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプ」)を付すこととされます。
電子帳簿保存法絡みなので、とりあえず書きましたが、「誰が認定するか」という主体が変わるだけで、あんまり影響はなさそうですね。また誰も読まない記事を書いてしまった。。。
適用時期
気を取り直して、この改正は、令和4年4月1日以後に保存が行われる国税関係書類または電子取引の取引情報に係る電磁的記録について適用することとされています。
そのときに電子取引の制度がどうなっているかはわからないですけど。
経過措置
ただし、令和4年4月1日から令和5年7月29 日までの間に保存が行われる場合のタイムスタンプ要件については、従来どおり、一般財団法人日本データ通信協会が認定する業務に係るタイムスタンプを付すことが可能ということです(経過措置)。
この項目はここまでです。
では、では。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。