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税制改正

令和6年度税制改正大綱:外形標準課税の減資への対応(事業税)

先週金曜日に、令和6年度税制改正大綱が公表されました(こちら)。

気になったものを少しずつ書いており、今回は、事業税の外形標準課税のうち減資への対応について。

 

外形標準課税

大綱を見て改めて思ったのですが、法人事業税の外形標準課税が導入されたのって、平成16年度なんですね。意外に新しい。

改正の位置付けとしては、外形標準課税の適用対象法人のあり方についての制度的な見直しであり、大綱で挙げられている問題意識は以下による対象法人数の減少です。

(1) 資本金1億円以下への減資
(2) 組織再編等の際の子会社の資本金の1億円以下への設定

資本金1億円以下への減資

今回は上記のうち(1)について。

背景は以下のような感じです。

  • 資本金1億円以下への減資を中心とした要因により、外形標準課税の対象法人数は、導入時に比べて約3分の2まで減少
  • このような減資には、損失処理等に充てるためではなく、財務会計上、単に資本金を資本剰余金へ項目間で振り替える減資を行っている事例も存在
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大綱の内容

大綱の大まかな内容は以下のとおりです。

① 当分の問、当該事業年度の前事業年度に外形標準課税の対象であった法人であって、当該事業年度に「資本金1億円以下で、資本金と資本剰余金の合計額が10億円を超えるもの」は、外形標準課税の対象とする

② 施行日以後最初に開始する事業年度については、上記①にかかわらず、公布日を含む事業年度の前事業年度(公布日の前日に資本金が1億円以下となっていた場合には、公布日以後最初に終了する事業年度)に外形標準課税の対象であった法人であって、当該施行日以後最初に開始する事業年度に資本金1億円以下で、資本金と資本剰余金の合計額が10億円を超えるものは、外形標準課税の対象とする。

外形標準課税の対象法人について、現行基準(資本金1億円超)を維持するものの、減資への対応として、外形標準課税の対象である大法人に対する補充的な基準を追加しています。

上記の改正は、令和7年4月1日に施行し、同日以後に開始する事業年度から適用される見込みです。

なお、外形標準課税(のうち付加価値割)は、人件費に対する課税を含むので、「賃上げ」という発想には逆行するものです。なので、大綱でも、「地域経済・企業経営への影響も踏まえながら引き続き慎重に検討を行う」とか、「外形標準課税の対象を中小企業に広げるものではない」みたいな気を遣った言い方が多くあります。

今日はここまでです。

では、では。

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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