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税制改正

令和4年改正見込:外国人留学生等を消費税の免税対象から除外

少しの間、空き時間に令和4年度税制改正見込みのことを書いていきたいと思います。

興味があることを調べずに適当に書くので、気が向いた方は適当に読んでください。

今日は消費税のことです。

令和4年改正で外国人留学生等を消費税の免税対象から除外か

読売新聞オンラインに、外国人留学生が消費税の免税対象から除外される見込み(与党税制改正大綱に盛り込まれる予定)というニュースが出ていました。

これは、外国人旅行者が免税店で一定の免税対象物品を買った場合に、消費税が免税になる制度のお話です(「輸出物品販売場制度」と呼ばれています)。

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輸出物品販売場制度

ちゃんとした定義でいうと、「輸出物品販売場制度」というのは、以下の場合に消費税が免除される制度です。

  • 免税店(輸出物品販売場)を経営する事業者が、
  • 外国人旅行者等の非居住者に対し、
  • 免税対象物品を一定の方法で販売する場合
  • なので、消費者側の視点でいうと、外国人旅行者等の非居住者が、土産品等として国外へ持ち帰る目的で、輸出物品販売場において、免税対象物品を一定の方法により購入した場合には、その購入に係る消費税が免除されることになります。

    そもそも消費税については、輸出免税の制度がありますが、非居住者が土産品等を国外へ持ち帰ることは、実質的に輸出と同じです。つまり、国内で消費されないので、免税になるということです。

    免税販売の対象者(非居住者)

    現行制度上、免税販売の対象者は、外為法(外国為替及び外国貿易法)上の「非居住者」に限定されています。要は、この制度の対象は、外国人旅行者のように日本国内に住所または居所を有しない人たちです。

    ただ、外国人でも、以下のような人たちは「居住者」として取り扱われます(外交官などを除く)。

  • 本邦内にある事務所に勤務する者
  • 本邦に入国後6月以上経過するに至った者
  • 逆にいうと、来日6ヶ月未満の外国人留学生なんかは、外為法上は非居住者ってことで、現行制度上は免税になるんでしょうね。

    今回のニュースは、この免税販売の対象者について、国内滞在が原則90日間以内となる観光客などに限定するというお話のようです。なので、外国人留学生のようなステイタスの人は、対象者から外すということなんだと思います。

    ここまでが改正見込みのお話で、以下は、ちょっとだけ改正の背景です。

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    予備知識:免税対象物品と輸出物品販売場における免税販売手続

    まず、予備知識として、輸出物品販売場における免税対象物品は、通常生活の用に供する物品のうち一定のもので、具体的には、消耗品(飲食料品、医薬品、化粧品など)なら、税抜販売価額の合計額が5千円以上50万円以下、それ以外の一般物品(家電、バッグ、衣料品など)なら、税抜販売価額の合計額が5千円以上等の要件があります。

    ただし、現行制度でも、非居住者が事業用や販売用として物品を購入する場合は、免税になりません(消費税が課税されます)。

    もう1つの予備知識として、輸出物品販売場において免税対象物品を販売する事業者には、販売の際に所定の手続を行うことが求められています(例えば、旅券等の提示を受けるなど)。

    そして、令和2年4月1日から輸出物品販売場における免税販売手続が電子化されており(令和3年10月1日以降は、経過措置も終了して完全電子化。たぶん)、免税販売手続の際、購入記録情報を、国税庁長官に電子的に送信する必要があります。

    改正の背景と思われる事案

    この購入記録のデータを使って、夏ごろに大阪国税局が税務調査をやってましたよね。

    中国の人が大阪のデパートで洋服とか1億円以上を免税扱いで買っていたのを、大阪国税局が「転売したんちゃうん?」ということで、消費税を課税したみたいな話です。

    消費税も税率が上がってるんで、10%なら転売で十分利鞘が取れるんでしょうね。

    ということで、そもそも現行制度に問題があるという話なので、改正は基本的に歓迎だと思います。

    今日はここまでです。

    では、では。

    この記事を書いたのは…
    佐和 周(公認会計士・税理士)
    現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

     

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