レベル1のインプットの具体例(時価算定会計基準)
今日も、会計のことを書きます。
時価算定会計基準におけるインプットのレベルについて、何か月か前に書きかけでやめてしまったので(このあたり)。
今日はレベル1のインプットです。笑うところじゃないけど、「レベル1のインプット」と言うだけで笑いがこみあげてくる。。。
Table of Contents
1. レベル1 のインプットの定義
気を取り直して、レベル1 のインプットの定義は、以下のとおりです。
時価の算定日において、企業が入手できる活発な市場における同一の資産または負債に関する相場価格であり調整されていないもの
レベル1のインプットは、ちゃんとした市場の相場価格(時価の最適な根拠を提供するもの)で、上場株式の株価が典型です。
もちろん、ただ「相場価格」というだけではなくて、同一の資産または負債の相場価格です。この点が、レベル2のインプットとの違いですね(レベル2のほうは、「類似の」資産または負債の相場価格)。
しかも、活発な市場における相場価格で、これもレベル2のインプットとの違いです(レベル2のほうは、「活発でない市場における」相場価格)。
なので、レベル1のインプットは、基本的にその価格を調整せずに時価の算定に使用します。
2. レベル1 のインプットに対する調整(→レベル2または3)
ただし、例外的にレベル1のインプットを調整する場合もあります。
具体的には、以下の(1)から(3)の場合です。
(1) 類似の資産または負債を大量に保有しており、当該資産または負債について活発な市場における相場価格が利用できるが、時価の算定日において個々の資産または負債について相場価格を入手することが困難な場合
(2) 活発な市場における相場価格が時価の算定日時点の時価を表さない場合
(3) 負債または払込資本を増加させる金融商品について、活発な市場で資産として取引されている同一の金融商品の相場価格を用いて時価を算定する場合で、かつ、当該相場価格を調整する場合
(2) 活発な市場における相場価格が時価の算定日時点の時価を表さない場合
(3) 負債または払込資本を増加させる金融商品について、活発な市場で資産として取引されている同一の金融商品の相場価格を用いて時価を算定する場合で、かつ、当該相場価格を調整する場合
レベル1 のインプットについて調整する場合には、算定された時価は、レベル2 またはレベル3 の時価に分類されます。
3. レベル1のインプットの具体例
一般に、以下のような金融商品については、時価がレベル1に分類されやすいと思います。
国債は取引所取引ではないと思いますが、店頭取引でも活発な市場には該当しうるってことで。
今日はここまでです。
では、では。
この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。