第3回 CFC税制における課税対象金額の円換算(2パターン)
ちょうど3月決算の申告も大詰めということで、このシリーズはタックス・ヘイブン対策税制(CFC税制)のポイントだけをお伝えしています。
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課税対象金額の円換算
今回取り扱うポイントは、課税対象金額の円換算についてです。
私以外に誰か興味あるんでしょうか…
課税対象金額を計算するディープな世界
タックス・ヘイブン対策税制において、会社単位の合算課税の対象となる金額を「課税対象金額」と呼びます。
なので、「経済活動基準でセーフ」みたいな普通の状況じゃなくって、「合算でーす」という状況で出てくる用語ですね。もうちょっとディープな世界のお話ということです。
もう1つ、「部分課税対象金額」というのもありますが、これは、受動的所得の合算課税(部分合算課税)の対象となる金額です。
課税対象金額の自然な円換算
この課税対象金額は円換算する必要がありますが、この円換算にあたっては、「外国関係会社の当該事業年度終了の日の翌日から2か月を経過する日」における電信売買相場の仲値(TTM)によることとされています。
なので、外国関係会社の2019年12月期決算を合算するときには、2020年2月末のTTMを使います。
普通にやると、たぶんこうなると思います。
なぜかというと、ちょっと前に見たように、タックス・ヘイブン対策税制では、「外国関係会社の事業年度終了の日の翌日から2か月を経過する日」を含むその内国法人の各事業年度において合算されることになります。
なので、自然に2か月後(このケースでは2020年2月末)のTTMを使ってしまうんですよね。少なくとも私はそうです。
3月末TTMによる換算もOK
ただ、他の人が作った申告書(のドラフト)を見ていると、日本側が3月決算の場合、3月末のTTMで換算されていることがあります。
あと、DDで対象会社の申告書を見てても、そういうケースはあります。
何となく違和感があるのですが、この換算でもOKです。というのも、通達で、内国法人の事業年度終了の日のTTMによることも可能とされているからです。
ただ、何度これに遭遇しても、一瞬「あれ? 間違ってない?」って思うんですよね。こういう思い込みは怖いですね。
あ、念のためですが、内国法人の事業年度終了の日(3月末)のTTMによる換算は、継続適用が条件です。あと、すべての外国関係会社について、そのレートで換算する必要があるので、このあたりは注意が必要ですね。
今日はポイントの3つ目で、課税対象金額の円換算についてでした。
なお、このあたりのことが書いてある著書に関する記事はこちらです。
では、では。