オススメの書籍紹介:「経理の仕組み」で実現する 決算早期化の実務マニュアル
このブログでは、不定期でオススメの本をご紹介しています。
いま自分で本を書いているので、当面、そこに参考文献として挙げる予定の本について書きます。
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その前にちょっとだけ近況
その前にちょっとだけ近況ですが、最近めちゃくちゃ忙しくなってきました。
年末は早めにお休みに入ろうと思っているのですが、もう年内の平日は空いている日がほぼ無くなってしまいました。
この本の紹介はだいぶ前に書いたものを投稿するだけなのですが、ブログについても、新しい記事を書く余裕はなくなりそうです。
贅沢は言えませんが、なかなか「ちょうどいいくらい」には落ち着かないものだなと思います。
では、本題に入ります。
今回は『「経理の仕組み」で実現する 決算早期化の実務マニュアル(第2版)』です
今回は、『「経理の仕組み」で実現する 決算早期化の実務マニュアル(第2版)』(武田 雄治さん 著)という本です。
有名な本なので、あんまり中身を詳細には書く必要はないと思います。
私が言いたいのは1つだけです。この本、本当に実務で使えます。
海外子会社にも使えます
私は、海外子会社の決算早期化に関わることが多くあります。というか、「関わっている」というよりは、日本側の盾として、業務フローの変更に抵抗する現地の経理スタッフの方々から攻撃を受ける立場にあります。
周りから見れば、盾というより人柱に近い状態だと思いますが、私にとっては平常運転(=家と同じ)です。
いや、そういう話ではなかった。海外子会社の決算早期化についても、この本はめっちゃ使える、ということが言いたかったんだった。だからこそ、参考文献として挙げる予定ということで。
以前ご紹介した『勘定科目統一の実務』(紹介記事はこちら)とともに、参考書みたいに使っています。
色々と前倒ししよう
海外子会社の場合、主に問題になるのは、単体決算です。
この本のノウハウは色々ありますが、経験上、海外子会社の経理スタッフに響くのは、「日常業務は、できるだけ日常業務として実施しましょう」というポイントです。
「業務量は増えませんよ。トータルの業務量は一定です。」というのは、説得の材料としては使いやすいですよね。
逆にいうと、「決算業務として行っている業務のうち、前倒しできるものは前倒しして、決算時の業務負担をできるだけ軽減させましょう」ということです。
「そうすれば、決算のとき、いつもより早く帰れますよ。」という流れで。
なので、現地スタッフに問いかけるべきは、「それ、本当に決算業務でしかできませんか?」という点に尽きます。
すみません、この本の精神は理解しているつもりなのですが、何となく消化し過ぎているのか、うまく表現できません。実際の本を読んでください(紹介記事の意味なし)。
海外でも売れると思います
海外子会社の経理スタッフの人たちと話してると、もちろんルーティンを変更されることへの抵抗はあるのですが、それ以前にそもそも上記のような発想自体がないことが多いです。
事実、この本のノウハウを使って、現地の経理スタッフを説得すると、最初は半信半疑です。でも、一度決算を経て、効果を実感してもらうと、もうちょっと話を聞いてもらえるようになります。
なので、個人的に、そんな感じで細々とノウハウを輸出していますが、この本、翻訳したら、海外でも売れると思います。
規模も問題も大きな海外子会社はfast close projectみたいに大々的にやることになりますが、そうじゃなければ、この本に書いてあるノウハウを使いながら、コツコツやるのがいいんじゃないでしょうか。その過程で現地スタッフとの信頼関係も構築できますし(どうせすぐに辞めちゃうけど)。
衝撃の一文を発見
ちなみに、今回、この本を読み直していて、衝撃の一文を見つけてしまいました(p.36です)。
筆者は、究極的にはどんな会社でも決算日の翌日(第1営業日)に試算表(決算整理算前試算表)を締めることは可能であると思っている(ただし、決算早期化を実現させるためにそれが必要というわけではない)。
そうか。。。そうだよな。。。何となくわかります。
でも、自分がそういうお仕事に関わることは一生無さそう。
「え、もう1か月経ってるのにまだ締まってないんですか?」の側の人生だなと思います。
言いたかったこと
すみません、今回はちゃんと紹介できてません。自覚してます。書きたいことがいっぱいあると、逆にまとまらないんですよね。
まとめると、この本のいいところは、決算早期化に必要な要素の「本質」部分が具体的に描かれていることです。
海外子会社でも使えるので、汎用性もあることも実証されています。
しかも表現がカッコつけてないので、読みやすい。
結論としては「とにかく実務に使える」ということで、これが一番言いたかったことです。
いつも思うことですが、1つのテーマで売れた本があると、同じようなことを書いた本が出ます。
ただ、やっぱりオリジナルはオリジナルです。実務で使っていると、「この本のノウハウは実務から生まれてきたものだ」ということがわかります。
なので、私はやっぱりオリジナルを選びます。
今日はここまでです。
では、では。
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。