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電子帳簿保存法

電子帳簿保存法:従業員による経費立替は電子取引に該当するか

今日も電子帳簿保存法における電子取引の制度についてです。

今回は、国税庁の電子帳簿保存法Q&A(一問一答)【電子取引関係】をもとに、電子取引の範囲について考えます。

0. この記事のポイント

従業員が会社の経費等を立て替えた際、支払先から電子データにより領収書を受領する行為は、会社としての電子取引に該当します。したがって、この電子取引の取引データについては、会社が従業員からの領収書データ(PDFやスクリーンショット)を取りまとめ、会社として保存する必要があります。

 

 

1. 従業員が会社経費を立替→従業員が支払先から電子データを受領

具体的には、従業員が会社の経費等を立て替えた際に、その従業員が支払先から領収書を電子データで受領する場合の取扱いについて書きたいと思います。

このテーマを選んだのは、数か月前に仕事で調べたからです。そのときと比べると、一問一答の内容はかなり充実しました(先月の改訂)。

2. お話の前提:電子取引とは

前提として、「電子取引」とは、取引情報の授受を電磁的方式により行う取引をいいますが、電子取引の制度概要については、以下の記事にまとめました。

 

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3. 従業員による経費立替の取扱い

従業員が会社の経費等をいったん立て替え、後日経費精算するケースはよくあると思います。

また、その場合に、その従業員が支払先から領収書を電子データで受領するケースもあるのではないでしょうか。

今回は、こういったケースの取扱いについて考えたいと思います。

(1) 電子取引に該当するか

まず、この一連の取引が「会社としての」電子取引に該当するかどうかについて。

結論から言うと、国税庁のQ&A(一問一答)では、従業員が支払先から電子データにより領収書を受領する行為についても、会社としての電子取引に該当することとされています。

これは、法人税法上、会社業務として従業員が立替払いした場合には、原則、その支払いが会社の費用として計上されるからです。つまり、従業員が立替払いで領収書を電子データで受領する行為は、会社の行為として、会社と支払先との電子取引に該当すると考えられます。

この点は特に違和感はありません。

(2) どのように保存すればよいか

会社としての電子取引に該当するということは、この電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、従業員から集約し、会社として取りまとめて保存する必要があります。

具体的なデータの保存方法については、以下の記事にまとめており、例えば、ウェブサイト上に領収書が(HTMLで)表示される場合、スクリーンショットの保存も可です。

 

なお、国税庁のQ&A(一問一答)では、一定の間、従業員のパソコンやスマートフォン等に請求書データを保存しておくことも認められることとされています。

もちろん、会社としても、日付・金額・取引先の検索条件に紐づく形でその保存状況を管理しておく必要があります。

このような取扱いが認められた背景としては、会社の業務フロー上、打ち出された紙ベースでの業務処理が定着しており、直ちに電子データを集約する体制を構築することが困難な場合も想定されるから、ということのようです。

ただし、この場合においても、電子データの真実性確保の要件等を満たすことは求められます。したがって、例えば、正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理規程に従って保存を行う等(詳細はこちら)、改竄防止措置をとったうえで保存を行う必要があります。

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4. 税務調査に備えて

もう1つ、注意点です。

税務調査の際には、従業員が保存する電磁的記録について、税務職員の求めに応じて提出する等の対応が必要になります。

したがって、本社の経理部等において、一定の方法により規則性をもって検索することが可能な体制を構築しておくなど、それを円滑に集約できるような状態にしておく必要があります。

同様に、電子データを検索して表示するときは、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができるように管理しておく必要があります。

一問一答による注意喚起

国税庁のQ&A(一問一答)においては、この点に関する注意喚起があります。

すなわち、税務調査の際に、保存データの検索を行うに当たって特段の措置が取られておらず、整然とした形式及び明瞭な状態で速やかに出力することができない場合には、「会社として、その電磁的記録を適正に保存していたものとは認められない」とされている点に注意が必要です。

今日はここまでです。

では、では。

■電子帳簿保存法の電子取引に関する記事の一覧はこちら

 

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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