1. HOME
  2. ブログ
  3. 普通の税務(色々)
  4. 電子帳簿保存法
  5. 電子帳簿保存法(電子取引): 2024年からの猶予措置における「相当の理由」とは

BLOG

佐和周のブログ

電子帳簿保存法

電子帳簿保存法(電子取引): 2024年からの猶予措置における「相当の理由」とは

昨日の続きで、電子帳簿保存法における電子取引の制度のお話です。

今回は、2024年1月1日からの猶予措置における「相当の理由」について書きます。

 

1. 猶予措置(2024年1月1日から)

令和5年度税制改正で導入された猶予措置は、2024年(令和6年)1月1日以後に行う電子取引について、以下の場合には、その保存時に満たすべき要件にかかわらず、電子データの保存を可能とする措置をいいます。

  • 税務署長が「相当の理由」があると認め、かつ、
  • 保存義務者が税務調査等の際に、税務職員からの求めに応じ、その電子データ及び出力書面の提示等をすることができる

つまり、これらの要件を満たす場合、とりあえず電子データを保存するだけでよいことになります。もう少しちゃんというと、電子データの保存は必要ですが、保存時に満たすべき要件が不要になるということです。

スポンサーリンク

 

2. 猶予措置の「相当の理由」とは

猶予措置の「相当の理由」の意義については、一応取扱通達に以下の説明があります。 

規則第4条第3項((電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存に関する猶予措置等))に規定する「相当の理由」とは、事業者の実情に応じて判断するものであるが、例えば、システム等や社内でのワークフローの整備が間に合わない場合等がこれに該当する。

あんまりちゃんとした説明になってませんが、Q&A(一問一答)にはもうちょっと詳細に書いてあります。

具体的には、「自己の責めに帰さないとは言い難いような事情」も含め、要件に従って電磁的記録の保存を行うための環境が整っていない事情がある場合については、この猶予措置における「相当の理由」があると認められるとされています。

「自己の責めに帰さないとは言い難いような事情」の例としては、その電磁的記録そのものの保存は可能であるものの、保存時に満たすべき要件に従って保存するためのシステム等や社内のワークフローの整備が間に合わないみたいなイメージです。

こういうケースでは、要件に従って保存できる環境が整うまでは、本来保存時に満たすべき要件が不要となるということで。

3. 「やむを得ない事情」との関係

ちなみに、2023年(令和5年)12月31日までの「宥恕」措置に関しては、所轄税務署長が要件を満たす形でデータ保存できなかったことに「やむを得ない事情」があると認める必要がありました。

一方、2024年(令和6年)1月1日以降の「猶予」措置に関しては、別に「やむを得ない事情」がなくてもOKです。

これは、財務省が以下のように解説しているためです(令和5年度税制改正の解説です)。

この「相当の理由」がある場合については、引き続き、システム対応が間に合わない等その電磁的記録の保存への対応が困難な事業者について、必ずしも従前の経過措置の適用を受けようとする場合に求められる「やむを得ない事情」がなかったとしても、事業者の実情に応じて柔軟に猶予措置を適用することが可能となることが明確となるよう猶予措置の要件として定められているものであるため、この猶予措置については、事業者の実情に応じて広く適用されることとなるものと考えられます。

(下線は追加)

スポンサーリンク

 

4. 相当の理由がない場合

上記のとおり、猶予措置は、事業者の実情に応じて広く適用されるものですが、Q&A(一問一答)では、猶予措置の適用が受けられないケースとして、以下が挙げられています。

  • システム等や社内のワークフローの整備が整っており、
  • 電子取引の取引情報に係る電磁的記録を保存時に満たすべき要件に従って保存できるにもかかわらず、
  • 資金繰りや人手不足等の理由がなく、
  • そうした要件に従って電磁的記録を保存していない場合

逆にいうと、よほどのことがない限りは、猶予措置の適用が認められる感じだと思います。

今日はここまでです。

では、では。

電子帳簿保存法に関するオススメの書籍です(私の本ではないです。第2版の紹介記事はこちら)。

第3版 電子帳簿保存法の制度と実務(Amazon)

 

■電子帳簿保存法の電子取引に関する記事の一覧はこちら

 

この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

関連記事

佐和周のブログ|記事一覧

スポンサーリンク