1. HOME
  2. ブログ
  3. 国際税務
  4. 移転価格税制の基礎
  5. 4.移転価格税制に関する「使える情報」

BLOG

佐和周のブログ

移転価格税制の基礎

4.移転価格税制に関する「使える情報」

今日は、移転価格税制に関する「使える情報」をお伝えします。移転価格事務運営要領(「事務運営指針」)の「別冊 移転価格税制の適用に当たっての参考事例集」など、国税庁が出している情報にいいものがあるので、そのご紹介です。

移転価格税制は税務っぽくない

移転価格税制については、とにかく「わかりにくい」というイメージが先行していると思います。

でも、少し慣れれば、他の国際税務の分野より、よほど理解しやすいです。

なぜなら、そんなに税務っぽくないからです。

「税務っぽい?」と思われた方に、これが私の考える「税務っぽさ」です。

「次に掲げる内国法人に係る外国関係会社のうち、特定外国関係会社又は対象外国関係会社に該当するものが、昭和五十三年四月一日以後に開始する各事業年度において適用対象金額を有する場合には、その適用対象金額のうちその内国法人が直接及び間接に有する当該特定外国関係会社又は対象外国関係会社の株式等(株式又は出資をいう。以下この条において同じ。)の数又は金額につきその請求権(剰余金の配当等(法人税法第二十三条第一項第一号に規定する剰余金の配当、利益の配当又は剰余金の分配をいう。以下この項及び次項において同じ。)を請求する権利をいう。以下この条において同じ。)の内容を勘案した数又は金額並びにその内国法人と当該特定外国関係会社又は対象外国関係会社との間の実質支配関係の状況を勘案して政令で定めるところにより計算した金額(次条及び第六十六条の八において「課税対象金額」という。)に相当する金額は、その内国法人の収益の額とみなして当該各事業年度終了の日の翌日から二月を経過する日を含むその内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、益金の額に算入する。」

うん、税務っぽい。

これに対して、移転価格税制は、もうちょっと経済学っぽいです。独立企業間価格という「ありもしないもの」を、一定の仮定に基づいて計算する試みなので、そういう印象を受けるのかもしれません。

ただ、完全に理論的なわけでもなく、移転価格税制のルールというものを理解しないといけないので、そこはちょっと大変です。

移転価格税制に関する情報ソース

移転価格税制は、国際税務の中でも人気のテーマなので、色々なところに色々な情報があります。

そんななか、「使える情報」としておススメなのは、税務当局(国税庁)が発信している情報です。

移転価格税制に限っては、じゃなくて、移転価格税制については、国税庁もかなり親切で、公表している資料には参考になるものがいっぱいあります。

ここでは、4つの資料を紹介したいと思います。いずれも国税庁が出している資料です。

(1) 参考事例集

まず1つ目は、移転価格事務運営要領というものがありますが(このブログでは「事務運営指針」と呼ぶことにします)、それ自体ではなく、その「別冊 移転価格税制の適用に当たっての参考事例集」です(このブログでは「参考事例集」と呼ぶことにします)。

移転価格税制は、理論だけ見ていても、分かりづらい部分があります。私も、遠い昔、いっぱい実際の移転価格文書を読んで初めて、「ああこういう感じなんだな」ということが分かりました。

参考事例集も、文字どおり「事例」なので、わかる部分だけでも読んでみると、検討の流れがわかるはずです。移転価格税制は、とっかかりの部分が難しいので、詳細は分からなくても、「ああ、こんな手順で、こんな感じで検討するんだな」ということをつかめれば、メリットは大きいと思います。

しかも、国税庁が出しているものなので、税務調査(や移転価格調査)の場面でも、「ここに、こう書いてありますけど」と言いやすいものです。

一応リンクは貼っておきますが、もしリンクが切れてたら、ググって頂ければ簡単に引っかかると思います。

(2) ポイント集

2つ目は、「移転価格税制の適用におけるポイント」という資料です(このブログでは「ポイント集」と呼ぶことにします)。

この資料では、ケースの形で、移転価格税制の実務において検討すべき項目が挙げられています。

ケースという意味では、参考事例集と同じなのですが、参考事例集よりもわかりやすく書いてあります。しかも、心なしか、ちょっとポップです。

また、それぞれのケースで、【移転価格調査のある場面にて】という寸劇(?)のようなものがあり、読んでいると空想が膨らみます(何の?)。

また、≪調査担当者の視点≫などが示されているので、普段は全く共感できない人々にも感情移入できて、新鮮な喜びも味わえます。

リンクは以下です(これは、資料としては(4)の作成サンプルとセットのものです)。

(3) 例示集

3つ目は、「独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類(ローカルファイル)作成に当たっての例示集」という資料です(このブログでは「例示集」と呼ぶことにします)。

ローカルファイルというのは、移転価格文書の1つですが、この資料には、「ローカルファイルに何を書けばいいか」や「どんな書類を準備すればいいか」が具体的に書いてあります。

「何を書けばいいか」や「何を準備すればいいか」が分かれば、遡って、「どんな情報を集めて、どんな分析をすればいいか」ということの具体的なイメージが膨らむと思います。

これもリンクを貼っておきます。2016年のものなので、ちょっと古いですけど、陳腐化はしてないです(【2020年6月追記】 2020年6月に改訂されています。改訂内容については、こちらの記事をご覧ください)。

(4) 作成サンプル

最後の4つ目は、「同時文書化対応ガイド ~ローカルファイルの作成サンプル~」という資料で、これもおススメです(このブログでは「作成サンプル」と呼ぶことにします)。

これは文字どおり、ローカルファイルの作成サンプルなので、実際のローカルファイルの記載例があります。

なので、例示集と組み合わせて読むと、さらにわかりやすいです。

リンクは以下です。

今日はここまでです。次回は、これらの情報をもとに、このブログが何を発信していくかについて、「移転価格税制コモディティ化計画」としてお伝えします。

では、では。

関連記事

佐和周のブログ|記事一覧

こどもCFOブログ|LINK

スポンサーリンク