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インボイス制度:社用車のガソリン代の取扱い

今日も消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)について書きます。

今回のテーマは、社用車のガソリン代の取扱いです。

 

1. 社用車のガソリン代

従業員等が社用車に給油し、ガソリン代を支払った場合、出張旅費等特例の適用があれば、インボイスの保存は不要ですが(出張旅費等特例についてはこちら)、そうじゃなければ、普通にインボイスの保存が必要です。

ちなみに、社用車のガソリン代のお話は、税務通信(3735号)で解説されているので、興味のある方はそちらをご覧ください。

以下では、簡単にポイントだけ書きます。

2. 適格簡易請求書

まず、ガソリンスタンドは小売業に該当するため、適格簡易請求書の発行が可能です。

で、大手石油販売会社のインボイス制度対応として、以下のような情報があります(適用に要約してます)。

(1) 現金決済の場合
…レシートを適格簡易請求書として取り扱う(予定)

(2) カード決済の場合
…カードの種類によって対応が異なる(予定)
具体的には、現金決済の場合と同様に、給油時に発行されるレシートを適格簡易請求書として取り扱うケースと、(給油時のレシートとは)別に(適格簡易)請求書を発行するケースがある
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3. ENEOS

ちなみに、調べ物のついでに、ENEOSの「適格請求書(インボイス)に関する対応について」というページを見てみました。

税務通信に書いてあったとおり、現金やENEOSカード(CPS・NICOS・CB)などでの支払いの場合、サービスステーションで発行されるレシートがインボイスになるようです。

一方で、ENEOS FCについては、カード発行店から発行される請求書等がインボイスとして取り扱われ、ENEOS BUSINESSについては、ENEOSの専用サイトからインボイスが提供されるようです。ENEOS FCもENEOS BUSINESSも何のことかよくわからないですけど。

経理部門の立場で考えると、レシートがインボイスになる場合、仕入税額控除の要件を満たすためには、給油をする人にちゃんとレシートを取っといてもらわないといけないですね。

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4. 自動販売機特例の適用は?

ちなみに、税務通信に書いてあって面白いなと思ったのは、いわゆるセルフスタンドで給油したケースの取扱いです。

この場合、自動販売機特例が使えそうにも思うのですが、実際には適用はない(つまり、帳簿のみの保存は不可)とのことです。

つまり、有人・無人にかかわらず、レシート等の保存が必要ということで。

まあ、ガソリンがドバドバ出てくる自動販売機とか嫌なので、これはこれで仕方ないですね。

今日はここまでです。

では、では。

■インボイス制度に関する記事の一覧はこちら

 

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この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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