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講演料のインボイス制度対応と支払調書

引き続き消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)について書きますが、今日は個人的なお話です。

私はたまに講演をするのですが、その講演料の取扱いがテーマです。

 

1. 講演料の取扱い

まず、講演の際に講師に支払う講演料は基本的に課税取引です。

したがって、仕入税額控除を適用するためには、インボイスの保存が必要になります。

2. 講演料のインボイス制度対応

講演料のインボイス制度対応については、ちょっと必要に迫られて、調べ物をしたことがあります。

これについても、税務通信(3693号)に解説がありました。ほんと、どんなテーマでも書いてあるなあと思います。

(1) 講師側が請求書を発行

税務通信にも書いてあったのですが、講演料の支払いについて、講師等(売上側)が請求書等を発行するのは稀なケースだと思います。

でも、個人的な経験として、最近は「請求書を発行してください」みたいなのもあります。インボイス制度を見据えてのことなんでしょうね。

あとは、登録番号の通知を求められるケースもあります(これは下記(2)の対応です)。

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(2) 主催者側が支払明細書を交付

上記(1)のようなお話もあるものの、一般的には講演料を支払う事業者(仕入側)が支払明細書みたいなものを交付することが多いんじゃないでしょうか。

支払明細書としては、支払調書(「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」)みたいなフォーマットのものを渡される場合もあります。

この点について、税務通信の記事に書いてあったのは、講演料を支払う事業者が交付したものが支払調書であっても、一定の要件を満たせば、インボイスとして取り扱える(仕入税額控除を適用できる)ということです。

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3. 支払調書をインボイスとして取り扱う場合の留意事項

支払調書を「インボイスとして取り扱う」というのは、より正確には、それを「仕入明細書として取り扱う」ということです。

仕入明細書の記載事項は以下の記事のとおりですが、別に法令等で様式が定められているわけでもないので、必要な記載事項さえ揃っていれば、国税庁所定の支払調書の様式を使ってもいいそうです。

 

ただ、支払調書だけでは記載事項が不足するので(登録番号・税率・消費税額など)、支払調書1枚ですべての記載事項を満たすためには、以下のような対応が必要らしいです。

  • 講師等の登録番号について、「支払を受ける者」の「個人番号又は法人番号」に二重線を引いた上、「登録番号」として記載する
  • 税率ごとに合計した支払対価の額と適用税率、消費税額を摘要欄に記載する

講演料を支払う事業者は、この支払調書っぽいものを交付して、支払先である講師等の確認を受けておけば、それをインボイスとして取り扱うことが可能(それを保存しておけばよい)みたいです。もちろん、税務署に提出する支払調書には、支払調書として必要な事項を記載する必要があり、細かなところはちゃんと考えないといけないと思いますけど。

税務通信(3693号)には、記載例(支払調書をインボイスとして取り扱う場合の記載例)もあるので、気になる方はそちらをご参照ください。

今日はここまでです。

では、では。

■インボイス制度に関する記事の一覧はこちら

 

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この記事を書いたのは…
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら

 

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