インボイス制度:受領した適格請求書のチェックの頻度
引き続き、消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)のお話です。
国税庁は2023年8月、「制度開始に向けて特にご留意いただきたい事項」を公表しました。
今日は、そのうち「受領したインボイスの適正性の確認」という項目について。
Table of Contents
1. 受領したインボイスの適正性の確認
「制度開始に向けて特にご留意いただきたい事項」の「受領したインボイスの適正性の確認」という項目には、「売手からインボイスを受領したが、 登録番号が適正なものか、取引の都度確認する必要あるのか?」という質問があります。
これに対する答えは、まず、「インボイスの適正性(番号が有効かどうか)については、事業者においてご確認いただく必要があります」となっています。
それはそうですよね。
しかしながら、「全ての取引の都度、確認が必要となるものではなく、取引先の規模や関係性、取引の継続性などを踏まえ、事業者においてその頻度等をご判断いただくこととなります」と付言されています。
2. 具体的なチェック方法
また、「具体例」ということで、以下のようなチェック方法も示されています。
➡ 確認する
・継続的に取引がある企業との取引
➡ 都度の確認はしない
注書きにあるとおり、「登録を受けた場合、自ら届け出等しない限り有効であり、取消しも課税期間(原則1年)単位でしかできない」というのは確かにそのとおりだと思います。
これ、できるだけ甘めの回答をするために、質問自体を「取引の都度確認する必要あるのか?」という変態的なものにしておいて、「いやいや、とりあえず新規取引先だけでいいですよ」みたいな回答にしてますけど、最初は全部確認しないといけないですからね。
3. 「制度開始に向けて特にご留意いただきたい事項」の内容
一応、国税庁のフォーマットも貼っておきます。
(出典:国税庁 「制度開始に向けて特にご留意いただきたい事項」)
今日はここまでです。
では、では。
↓インボイス制度に関するオススメの書籍です(私の本ではないです。制度開始後の6訂版です。「決定版」らしいです。3訂版の紹介記事はこちら)。
6訂版 Q&Aでよくわかる消費税インボイス対応要点ナビ【決定版】(Amazon)
↓インボイス制度をカバーした『海外取引の経理実務 ケース50』の3訂版です(私の本です。紹介記事はこちら)。
これだけは押さえておこう 海外取引の経理実務 ケース50〈第3版〉(Amazon)
佐和 周(公認会計士・税理士)
現 有限責任 あずさ監査法人、KPMG税理士法人を経て、佐和公認会計士事務所を開設。専門は海外子会社管理・財務DD・国際税務など。東京大学経済学部卒業、英国ケンブリッジ大学経営大学院(Cambridge Judge Business School) 首席修了 (MBA)。詳細なプロフィールはこちら。